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すべては幻、隣の庭は枯れ木の庭 3-3

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「酷く偉そうな言葉づかいだなぁ。君、ずいぶん上等な服着てるね。どこのお貴族様の子供?貴族の子供なら警護の騎士が付いている筈だけど何処にいるんだい?それとも上等娼館の娼婦のこど」
パカーンと子気味の良い音を立てて、ルークが言い終わらない内に、子供用の靴がルークの顔面にヒットした。
「何があろうとも私の母を侮辱する事はゆるさーん!」
直後に響く子供の怒声。どうも、地雷を踏んだらしい。
「痛ったー!靴を投げつけるなんてひどいじゃないか」
かんかんに怒り出した子供は、ルークの抗議など全く聞いていない
「私の母を下賤の女扱いするとは何と無礼な奴だ!卑怯者め!姿を消して私に話しかけるとは!馬鹿にしているのか!?幻術の魔法を今すぐ解いて出てこい!」
ルークは灰色蜥蜴族と人間のハーフだけれど、外見は灰色蜥蜴族の特徴を色濃く出している。灰色蜥蜴族の最大の外見的特徴は、その名の通り灰色の肌をしている事だ。
灰色は、黒よりも夜の闇に紛れやすい。
いくら満月の照る明るい夜だと言っても、木の枝の間に入り込んだルークは子供からしてみたら全くどこにいるのか分からなかったのだろう。幻術を使って身を隠していると思い込んでいる。随分と勘に触ったようだ。
「そんな難しい魔法、俺には使えないよ。俺は闇に紛れるのが得意なんだ。まって、今姿を現すから」
そう言って、ルークはスルリと木の枝から降り、子供が座る岩の上に立った。
ルークが姿を見せた途端、子供はポカンとルークを見上げた。
「灰色蜥蜴族・・・・初めて見た」
そう言って、子供はルークを興味深そうにじっと見つめて来た。
本当に灰色蜥蜴族が珍しいらしい。
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