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すべては幻、隣の庭は枯れ木の庭 1ー30

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手袋は手首の部分をリボンで絞って簡単には抜けない様になっている。濃紺に金銀の絹糸で小さな渡り鳥とサキュバスの花の刺繍がしてあった。
珍しくシャルレの紋章に使われている花じゃ無いのが気になった。
わざわざ着けたのだろう。シャルレの香水の香りが濃く着いている。
特注品態々作ったんですか?」
「今回のは既製品よ。灰色蜥蜴みたいに爪の鋭い種族が使う様に有るのよ」
シャルレはシレッと言ったが、その手袋のデザインは娼館の娼夫(婦)や奴隷用のデザインで有る事をルークは知っていた。
シャルレも勿論知っている筈だ。故意だろう。
頭の良いシャルレの事だから、ルークが普通の使用人に妬まれずにシャルレとの関係を続けられる様に態と性奴隷用のデザインを選んだのだろう。
「ふふ、シャルレ姫専用の性奴隷も悪く無いですね」
「・・・おばかね」
ルークが折角喜んで見せたのに、シャルレは複雑な表情でそう言った。
そう言いながら、三本目の小瓶を出して来た。
半透明の茶色の小瓶の中には、何か蠢いている物が見えた。恐らくそれがカラスウリなのだろう、
ルークの喉が思わずゴクリと音を立てて上下した。
強烈に記憶に残っている。魔獣に凌辱された感覚がつい昨日経験した事の様によみがえった。
シャルレの指がするりとルークの腰を撫でると、何か魔法を使われた様で、腰の奥がふわりと温まったかと思うとルークの蜜胎の中を犯していた二匹のスライムの存在感がふっと消えた。
シャルレがルークの目を見据えたまま、小瓶の蓋を開けると、ルークの腰の上で逆さにした。
ルークはシャルレを見つめて、紫スライムの催淫液のせいですっかり性欲に眩んだ頭で、それでも変わらない気持ちで、カラスウリに犯されて何も分からなくなってしまう前にとシャルレの唇に口づけをした。
そして言った。
「愛してるんです。本当に」
シャルレはちょっと驚いた顔をしたけれど、珍しく溶けるみたいな飛び切りの微笑みで
「知っているわ」
そう返してくれた。
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