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ルークの初恋 3-28
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笑顔のままピクリとも表情を動かさないシャルレがルークに問いかける。
「お前、そんな民族衣装の着方、よく知っていたわね」
「・・・・・ジェイコブ王子に」
『着付けて頂きました』、そう言った途端、笑顔のシャルレのこめかみが一瞬ピクリと動いたかと思うと姫の座っている座席の背もたれが一部、パンッっと大きな音を立てて弾けた。
姫の魔力が怒りで暴走したのだ。
『デスヨネー!』ルークは心の中でだけそう言った。
シャルレはルークが自分以外の人間に世話を焼かれたり、興味を示したりするのを相当嫌う所が有る。その様子は、ルークにとって嬉しく、少し苦くもあった。
『まるで俺の事が好きみたいだ』シャルレに人に言えない思い人がいるらしいというのは、侍従達の間では有名な話だ。
大国の王子が、あの、いつもルークの前でちょっとカッコつけていたジェイドが、王位継承権を返上し、性別を偽り、身を売る行為さえ受け入れてまで結婚を拒む程焦がれる恋。
そこまで思われている相手にルークが敵う訳無いのに、つい期待してしまいそうになる。
甘い幻想に囚われそうになる度にルークは自分で自分を嗤った。
だってそうでしょう?こんなに毎日近くにいるのに、ましてや少なく無い夜を共に超えているのに、何にも関係が変わらないのだから、やはりきっとルークの所にシャルレの気持ちは無いのだ。
「すみません」
苦笑いで謝るルークを見て、シャルレはプイッっとそっぽを向くとポツリと言った。
「本当よ!」
きっと使い勝手の良い使用人が他に主人を見つけないか心配している、その程度の気持ちなのだろう。
その程度でも、ルークには十分に悦びになるのだけれど。
「お前、そんな民族衣装の着方、よく知っていたわね」
「・・・・・ジェイコブ王子に」
『着付けて頂きました』、そう言った途端、笑顔のシャルレのこめかみが一瞬ピクリと動いたかと思うと姫の座っている座席の背もたれが一部、パンッっと大きな音を立てて弾けた。
姫の魔力が怒りで暴走したのだ。
『デスヨネー!』ルークは心の中でだけそう言った。
シャルレはルークが自分以外の人間に世話を焼かれたり、興味を示したりするのを相当嫌う所が有る。その様子は、ルークにとって嬉しく、少し苦くもあった。
『まるで俺の事が好きみたいだ』シャルレに人に言えない思い人がいるらしいというのは、侍従達の間では有名な話だ。
大国の王子が、あの、いつもルークの前でちょっとカッコつけていたジェイドが、王位継承権を返上し、性別を偽り、身を売る行為さえ受け入れてまで結婚を拒む程焦がれる恋。
そこまで思われている相手にルークが敵う訳無いのに、つい期待してしまいそうになる。
甘い幻想に囚われそうになる度にルークは自分で自分を嗤った。
だってそうでしょう?こんなに毎日近くにいるのに、ましてや少なく無い夜を共に超えているのに、何にも関係が変わらないのだから、やはりきっとルークの所にシャルレの気持ちは無いのだ。
「すみません」
苦笑いで謝るルークを見て、シャルレはプイッっとそっぽを向くとポツリと言った。
「本当よ!」
きっと使い勝手の良い使用人が他に主人を見つけないか心配している、その程度の気持ちなのだろう。
その程度でも、ルークには十分に悦びになるのだけれど。
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