54 / 117
ルークの初恋 3ー26
しおりを挟む
シャルレは後部側の席に寝そべる様に座っていた。
「おいで、ルーク」
呼ばれてルークが傍に行く、馬車が動き出した。
「セットが崩れちゃって、変に引っ張られちゃって痛いの。髪の毛解いて」
「はい、失礼します。」
解けと言いつつ姫が姿勢を変えるワケ無いので、必然的にルークが座席に片膝を着いてシャルレの髪に手を伸ばした。
「あぁ・・・これは痛いでしょう、絡まってます。すみません、ちょっと時間かかりますよ」
ルークがシャルレの手触りの良い髪を出来る限り傷めない様に丁寧に絡まりを解いているとシャルレ姫が暇を持て余したのか、ルークの着ている民族衣装のビーズを悪戯し始めた。
シャラリ、シャラリをビーズが綺麗な音を立てる。
「姫?」
「あいつに、何処で合ったの?」
「ジェイコブ王子ですか?えっと街中で露天商の人に絡まれてる所を助けて頂いたんです。偶然」
「お前、それ着けられてたのよ、分かってる?」
「まぁ、姫との会話を聞きましたので」
「先ず、助けられた時点で怪しいと思いなさい」
「すみません」
飾りをいじっていたシャルレの手が、するりとルークの腹を撫でた。
「良い手触りね」
ルークの返答を待たずに、シャルレは言葉を続けた。
「ジェイコブ王子と随分親しくなったのね。お前の初恋の話なんて、私、聞いた事が無い」
「はぁ、誰にも話した事無かったんで」
そこで、シャルレのまとう空気が何故か一気に低下した。
「へぇ・・・」
心なしか声が恐い。
表情が笑顔なのがまたルークを戦慄させた。
「おいで、ルーク」
呼ばれてルークが傍に行く、馬車が動き出した。
「セットが崩れちゃって、変に引っ張られちゃって痛いの。髪の毛解いて」
「はい、失礼します。」
解けと言いつつ姫が姿勢を変えるワケ無いので、必然的にルークが座席に片膝を着いてシャルレの髪に手を伸ばした。
「あぁ・・・これは痛いでしょう、絡まってます。すみません、ちょっと時間かかりますよ」
ルークがシャルレの手触りの良い髪を出来る限り傷めない様に丁寧に絡まりを解いているとシャルレ姫が暇を持て余したのか、ルークの着ている民族衣装のビーズを悪戯し始めた。
シャラリ、シャラリをビーズが綺麗な音を立てる。
「姫?」
「あいつに、何処で合ったの?」
「ジェイコブ王子ですか?えっと街中で露天商の人に絡まれてる所を助けて頂いたんです。偶然」
「お前、それ着けられてたのよ、分かってる?」
「まぁ、姫との会話を聞きましたので」
「先ず、助けられた時点で怪しいと思いなさい」
「すみません」
飾りをいじっていたシャルレの手が、するりとルークの腹を撫でた。
「良い手触りね」
ルークの返答を待たずに、シャルレは言葉を続けた。
「ジェイコブ王子と随分親しくなったのね。お前の初恋の話なんて、私、聞いた事が無い」
「はぁ、誰にも話した事無かったんで」
そこで、シャルレのまとう空気が何故か一気に低下した。
「へぇ・・・」
心なしか声が恐い。
表情が笑顔なのがまたルークを戦慄させた。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる