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ルークの初恋 3-4

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頭のてっぺんから足のつま先まで、全て高価な物を身に着けている。胸に輝く数々の勲章の飾りまで全て本物の金銀宝石で出来ていた。
相当身分の高い人間に見えた。
優し気な顔立ちの、いかにも上流階級といった印象の長身の青年は、ただし、ルークの今までの経験で培ってきた勘は青年の優し気な見た目に反して、真逆の判定を下していた。
本能に近い所で、気を着けなければいけない相手だと言っている。『この人は俺が近づき過ぎちゃいけない人だ』ルークの勘はそう自分自身に言っていた。
ルークのこの勘が外れた事は今まで一回も無い、どんなに他人にとって優しく良い人でも、ルークの勘が警戒したら、その人はルークにとって近づきすぎてはいけない人なのだ。
ルークが今まで灰色蜥蜴族にも関わらず、一人で一応無事に生きてこれたのは、この勘のおかげなのだ無視できない。
ルークは使用人として働く時の仕事用の自分に直ぐに切り替え、先ずは青年から距離を取って深々とお辞儀をした。
「有難うございます。何分育ちが悪いもので、どこのお国のどんなお偉い身分の方なのか皆目見当も思いつきませんが、御礼申し上げます。大変助かりました」
念のため、多少物を知らない子供の様な口調で話した。
ルークの素早い身の切り替えを気に入った様で、青年は機嫌よさげに
「へぇ・・・」
とだけ呟くと、再び剣を構え直した。
「それで、灰色蜥蜴族のこんな小さな子を攫ってどうしようとしたんだい?」
店の主人は真っ青になって否定した。
「違います。この坊やがあんまりこの布が気に入ったみたいだから着方をですね」
「気に入ったのはお前で、この灰色蜥蜴族の少年を気に入ったんだろう?」
「俺は熟女趣味です!」
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