真夜中の太陽 ルークの初恋

ルークの初恋 ２－１

世界の摂理なんて知ったこっちゃない
貴方が幸せである事が一番大事
抜け道使って　貴方の足で僕の腕の中においで

頼むよ　もう何を知っても悲しまないで
全部全部大した事じゃ無いんだ
最初から　君の悲しい涙より辛い物なんて無かった

ダーリン　泣いてる貴方にキスをあげる
貴方が望んでくれるなら
たくさんたくさん　貴方の体の何処にでも

ダーリン　笑顔の貴方にキスをあげる
貴方が望んでくれるなら
たくさんたくさん　貴方の体の何処にでも

取り戻せない時間に妬いて
消えた過去を漁って貴方の欠片を探しても
亡者の声しか聞こえて来ないんだ。

御免よ　ダーリン恋でも愛でも
語る相手は君じゃないと
君の為に開けておいた　更さらの場所に口づけを

ダーリン　怒った貴方にキスをあげる
貴方が望んでくれるなら
たくさんたくさん　貴方の体の何処にでも

ダーリン　どんな貴方にもキスをあげる
貴方が望んでくれるなら
たくさんたくさん　貴方の体の何処にでも

最初のキスは強烈なヤツが良い　悪い魔法を噛み砕く程の
その為にそのキバを研いできたと言って
お願いだよ　こんな酷い距離で満足なんてしないで

愛を囁くなら君を抱きしめて耳たぶを食みながら
今はただ約束を捧げるよ

今夜もシャルレ姫は舞台の上で一人歌う。
題目は一番人気の『バンシーに口づけを』だ。
悪い魔法使いに呪いを掛けられて、妖精バンシーになってしまった娘に恋人だった伯爵が口づけで人に戻すという話で、この歌は舞台中何度か歌われる。
舞台の真上を横切る、舞台を照らす灯りの調節等する作業者が使う通路、キャットウォークの上で、紙吹雪を散らしながら、歌うシャルレを見つめ、ルークは溜息を着いた。