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悪夢の後 1-3

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第一王女という身分でありながら、薬を盛られるという酷い侮辱を受け、次の日は相当荒れるだろうと誰もが予想していたシャルレ姫は、次の日まるで何事も無かったかの様に落ち着いていた。
むしろ機嫌が良かった。
ただし、寝起きの姫のベッドには、腰の立たなくなったルークが転がっていたが・・・。
かくして、ルークはシャルレ姫が秘密の仕事を終えた後のストレス発散の相手として任命されてしまった。
歌姫シャルレに恋をして、現在も絶賛シャルレに夢中のルークには、天にも昇れるんじゃないかと思う程嬉しい僥倖ぎょうこうであり、心臓が潰れるのではないかと思う程の地獄でも有った。
愛しい人の素肌に触れられるの嬉しい、抱かれたら涙が出る程幸せだ。
姫の手はどこまでも優しくて、時として示す妬いた様な態度はルークに『自分は本当に愛されているんじゃないか』という考えを持たせる程本気に見えた。
でも、この愛しい人はきっと、ルークの事など体の良い玩具ぐらいにしか考えていないのだろう。いつも、肝心な所で線を引かれている気がしてならない。しかもルークがシャルレに抱いてもらえるのは、シャルレが誰かを抱いたか誰かに抱かれたかした後なのだ。
こんな酷い話があろうか。
そんな複雑な状況と思いを抱えて、今夜もルークはシャルレに抱いてもらっていた。

体の芯が溶けるかと思う程の歌声を発する唇が、ルークの耳を甘く噛む。
それだけで、ルークの蜜胎には、快楽に繋がる熱が溜まった。
ここに、この奥に、愛しい人の熱が欲しい。
そんな事はお構いなしの、催淫剤で若干理性崩壊中の相手シャルレが、普段他人には見せない獰猛な色気を放ってルークの胎の中を突き上げて来た。

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