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蜜月(巣籠もり)
◆◆◆◆4
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ロモソルーンから香って来る、得も言われぬ甘い様な、美味しそうな匂いを嗅ぐたびに、シェルの体は無尽蔵にロモソルーンの熱を欲しがった。
魔力を精製する丹田も、もう何度もロモソルーンを受け入れた胎の中も、ロモソルーンの性器と魔力を欲しがってひっきり無しに蠢いている。
「所でさ、入り口で始めたあたりから、ロモソルーンから凄い良い匂いがする様になったんだけど、これ、ロモソルーンの発情の臭い?」
シェルが先ほどから感じるようになった匂いの正体を聞くと、ロモソルーンは跳びあがって喜んだ。
「凄いぞシェル!もう嗅覚まで獲得したのか!そうだ!番の発情の臭いは極上の香りがするんだ!」
「極上で強烈だね。ぼくこの匂いにやられて、今なら匂いだけでイキそうなんだけど」
「俺はシェルが俺の番になってくれた時からずっと、お前の発情の臭いで我を忘れて襲わない様に必死だった!
まぁ巣ごもりが終わる頃には多少耐性もついてしまうさ」
「催淫剤なんてくらべものに成らない位興奮してる。嗅ぐと辛い程欲情しちゃうのに、ずっと嗅いでたい」
「ずっと嗅いでたいのか」
ロモソルーンはまた嬉しそうに笑った。
「うん。ずっと」
「ずっと嗅いでろよ。俺達はこれからずっと一緒なんだから」
『ずっと一緒』。あの、両親が殺された冷たい雨の夜から、大切な物を失くしてばかりいたシェルには、その言葉が物凄く嬉しかった。
そもそも、千年一緒にいるために今こうして呪いを行っているのだから、当たり前の事なのだけれど、何だか『ずっと』と言われた途端、言葉がストンと自分の中に落ちてきて実感めいたものが湧いた。
同時にシェルは頭の中で今までの酷い経験を一気に思い出していた。
「ずっと一緒。そうだね、ロモソルーンは強いから、きっと本当になるね」
『ずっと』という事があまりにも嬉しくて、少し涙声になってしまった。
シェルは潤んだ自分の目をごまかすために、抱き上げられたままロモソルーンの体に抱き着いて顔をロモソルーンの胸に埋めた。
涙声になっていたから、誤魔化しきれてなどいないのだけれど。
「・・・・おう。間違えねぇよ」
ロモソルーンは、甘く優しく囁きながら、そっとシェルの頭を撫でて浴室に向かった。
魔力を精製する丹田も、もう何度もロモソルーンを受け入れた胎の中も、ロモソルーンの性器と魔力を欲しがってひっきり無しに蠢いている。
「所でさ、入り口で始めたあたりから、ロモソルーンから凄い良い匂いがする様になったんだけど、これ、ロモソルーンの発情の臭い?」
シェルが先ほどから感じるようになった匂いの正体を聞くと、ロモソルーンは跳びあがって喜んだ。
「凄いぞシェル!もう嗅覚まで獲得したのか!そうだ!番の発情の臭いは極上の香りがするんだ!」
「極上で強烈だね。ぼくこの匂いにやられて、今なら匂いだけでイキそうなんだけど」
「俺はシェルが俺の番になってくれた時からずっと、お前の発情の臭いで我を忘れて襲わない様に必死だった!
まぁ巣ごもりが終わる頃には多少耐性もついてしまうさ」
「催淫剤なんてくらべものに成らない位興奮してる。嗅ぐと辛い程欲情しちゃうのに、ずっと嗅いでたい」
「ずっと嗅いでたいのか」
ロモソルーンはまた嬉しそうに笑った。
「うん。ずっと」
「ずっと嗅いでろよ。俺達はこれからずっと一緒なんだから」
『ずっと一緒』。あの、両親が殺された冷たい雨の夜から、大切な物を失くしてばかりいたシェルには、その言葉が物凄く嬉しかった。
そもそも、千年一緒にいるために今こうして呪いを行っているのだから、当たり前の事なのだけれど、何だか『ずっと』と言われた途端、言葉がストンと自分の中に落ちてきて実感めいたものが湧いた。
同時にシェルは頭の中で今までの酷い経験を一気に思い出していた。
「ずっと一緒。そうだね、ロモソルーンは強いから、きっと本当になるね」
『ずっと』という事があまりにも嬉しくて、少し涙声になってしまった。
シェルは潤んだ自分の目をごまかすために、抱き上げられたままロモソルーンの体に抱き着いて顔をロモソルーンの胸に埋めた。
涙声になっていたから、誤魔化しきれてなどいないのだけれど。
「・・・・おう。間違えねぇよ」
ロモソルーンは、甘く優しく囁きながら、そっとシェルの頭を撫でて浴室に向かった。
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