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蜜月(巣籠もり)
◆◆◆16
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ロモソルーンは蔑みの表情から、再び怒りの表情になってウォルターを睨みつけた。
「気高きドラゴン族で有りながら、番の為に己を変えようとすら出来なかったドラゴン族の恥さらしめ。
お前の魔術が失敗したのなんか当然の事だ!
何が完璧に真似てもだ!最も大事な手順を逃げたくせに!
挙げ句に親切ヅラで邪魔か!時間があったら殺してるところだ!」
吐き捨てる様に言ったロモソルーンの視界の端に、必死の形相で飛んでくるドラゴンのグィグゥが映った。
グィグゥはウォルターとルメラの子供だ。形相から察するに、母親のルメラを回収に来たのだろう。
「なぁ。ウォルター、お前、成功しそうな俺を嫉んだな?」
「違うっ!違う違う違う!っ私はっ」
「ほう、じゃぁ何か?お前、このこの上シェルを欲しがったのか?」
「いやっ」
「ウォルター・・?」
ウォルターとロモソルーン、ふたりの言い合いを呆然と聞いていたルメラがウォルターを見上げた。
「人間オタクだものな」
「シェルは人間の中でも大層美しい見た目をしている。コレクションでもしたくなったか?俺の番を!?」
「ひぃつ」
ロモソルーンが正に射殺さんばかりの眼力でウォルターを睨みつけた。
ウォルターが気おされて再び後ずさった。
そのウォルターの前に、入れ替わる様にグィグゥが凄い速さで横切り、目にも止まらぬ速さでルメラを掴み上げるとそのまま天高く舞い上がり、飛び去っていた。
ウォルターには目もくれなかった。
「フン。母親を助ける為に怒り狂ってる格上の前に馳せ参じたか、いい度胸だ。
良かったな、お前の息子、お前より余程勇者だぞ」
「グィグゥ・・」
「ウォルター。アンタ、一度殺されかけた相手を激怒させているのに、よくも自分の番を庇いもせずにいたものだな」
「え?・・・」
「覚悟は出来ているんだろうな?」
ロモソルーンは右足で二、三回、軽く土を後ろに蹴り、身を震わせると一瞬で元のドラゴンの姿に戻った。
「気高きドラゴン族で有りながら、番の為に己を変えようとすら出来なかったドラゴン族の恥さらしめ。
お前の魔術が失敗したのなんか当然の事だ!
何が完璧に真似てもだ!最も大事な手順を逃げたくせに!
挙げ句に親切ヅラで邪魔か!時間があったら殺してるところだ!」
吐き捨てる様に言ったロモソルーンの視界の端に、必死の形相で飛んでくるドラゴンのグィグゥが映った。
グィグゥはウォルターとルメラの子供だ。形相から察するに、母親のルメラを回収に来たのだろう。
「なぁ。ウォルター、お前、成功しそうな俺を嫉んだな?」
「違うっ!違う違う違う!っ私はっ」
「ほう、じゃぁ何か?お前、このこの上シェルを欲しがったのか?」
「いやっ」
「ウォルター・・?」
ウォルターとロモソルーン、ふたりの言い合いを呆然と聞いていたルメラがウォルターを見上げた。
「人間オタクだものな」
「シェルは人間の中でも大層美しい見た目をしている。コレクションでもしたくなったか?俺の番を!?」
「ひぃつ」
ロモソルーンが正に射殺さんばかりの眼力でウォルターを睨みつけた。
ウォルターが気おされて再び後ずさった。
そのウォルターの前に、入れ替わる様にグィグゥが凄い速さで横切り、目にも止まらぬ速さでルメラを掴み上げるとそのまま天高く舞い上がり、飛び去っていた。
ウォルターには目もくれなかった。
「フン。母親を助ける為に怒り狂ってる格上の前に馳せ参じたか、いい度胸だ。
良かったな、お前の息子、お前より余程勇者だぞ」
「グィグゥ・・」
「ウォルター。アンタ、一度殺されかけた相手を激怒させているのに、よくも自分の番を庇いもせずにいたものだな」
「え?・・・」
「覚悟は出来ているんだろうな?」
ロモソルーンは右足で二、三回、軽く土を後ろに蹴り、身を震わせると一瞬で元のドラゴンの姿に戻った。
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