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蜜月(巣籠もり)
◆◆◆14
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ロモソルーンが扉の前に立った時も、ウォルターは扉を叩き続けていた。
ロモソルーンが、扉の鍵を開けると、表の二人は扉を叩くのを止めて少し扉から離れた。
「ロモソルーンか!?聞いてくれ、初代の魔術は確かに成功したかもしれない、だがな、あの魔術は、現在、まともな記録も残っていない、お前だってさしずめ王宮の中の資料室の魔術記録を見ただけだろう?
だが、あれじゃ情報が不十分なんだ!
何が足りてないのかは私にも分からない、だが、あの手順を全て完璧に真似しても、魔術は失敗に終わるんだ!
最悪人間が死ぬ。
良くてもドラゴンの寿命が人間並みになっていまう、危険な魔術なんだ!」
ウォルターは複数の番を持つドラゴンで、巣ごもり中の発情しているドラゴンの気性をよく分かっていた。
今のロモソルーンが、シェルを表に出すわけが無い事を分かっていたので、扉の鍵を開けたのがロモソルーンで有る事を確信しいていた。
ウォルターは必死にロモソルーンに無茶な魔術を止める様訴えた。
ロモソルーンは、恐ろしく剣呑なまなざしで扉を睨みつけていた。
少しの間、扉の内側で一応ウォルターの訴えに耳を傾けていたが、不機嫌にフンッと一回鼻を鳴らすと、片手をあてて扉を押し開いた。
重い木製の扉は、いかにも重厚そうな軋み音を上げながらゆっくりと開かれた。
扉が動き始めるとウォルターは口を閉じた。
ウォルターとルメラ、表の二人は息をのんで扉が開かれるのを見つめていた。
扉が開かれた先には、今までで魔獣にしか見せた事が無い、憤怒の形相のロモソルーンが仁王立ちしていた。
それは恐ろしく、ウォルターは気おされて後ずさり、ルメラは腰を抜かしてへたり込んだ。
ロモソルーンが、扉の鍵を開けると、表の二人は扉を叩くのを止めて少し扉から離れた。
「ロモソルーンか!?聞いてくれ、初代の魔術は確かに成功したかもしれない、だがな、あの魔術は、現在、まともな記録も残っていない、お前だってさしずめ王宮の中の資料室の魔術記録を見ただけだろう?
だが、あれじゃ情報が不十分なんだ!
何が足りてないのかは私にも分からない、だが、あの手順を全て完璧に真似しても、魔術は失敗に終わるんだ!
最悪人間が死ぬ。
良くてもドラゴンの寿命が人間並みになっていまう、危険な魔術なんだ!」
ウォルターは複数の番を持つドラゴンで、巣ごもり中の発情しているドラゴンの気性をよく分かっていた。
今のロモソルーンが、シェルを表に出すわけが無い事を分かっていたので、扉の鍵を開けたのがロモソルーンで有る事を確信しいていた。
ウォルターは必死にロモソルーンに無茶な魔術を止める様訴えた。
ロモソルーンは、恐ろしく剣呑なまなざしで扉を睨みつけていた。
少しの間、扉の内側で一応ウォルターの訴えに耳を傾けていたが、不機嫌にフンッと一回鼻を鳴らすと、片手をあてて扉を押し開いた。
重い木製の扉は、いかにも重厚そうな軋み音を上げながらゆっくりと開かれた。
扉が動き始めるとウォルターは口を閉じた。
ウォルターとルメラ、表の二人は息をのんで扉が開かれるのを見つめていた。
扉が開かれた先には、今までで魔獣にしか見せた事が無い、憤怒の形相のロモソルーンが仁王立ちしていた。
それは恐ろしく、ウォルターは気おされて後ずさり、ルメラは腰を抜かしてへたり込んだ。
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