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暗闇の灯火
◆◆◆◆13
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シェルの魔法陣を見たロモソルーンが、もう一度牙を見せてニヤリと笑った。
「歌ってくれよ、シェル。あの歌だ」
「え!?歌?あのの子守歌?」
「子守歌?それが子守歌なものか!」
シェルの戸惑いを、ロモソルーンは快活に笑った。
「それは、トホスマ・スダ初代国王が作った呪い歌だ」
話す合間にロモソルーンが短く一声鳴くと、数えきれない位の量の魔法陣がロモソルーンの周囲に出現した。
「初代の番は文盲だったんだ。だから、初代は言葉の魔法陣を作った。
それがその歌だ。
それは子守歌じゃない、初代国王とその番が同じ時を生きる為に編み出された婚姻の歌だ。
歌えシェル、歌ってくれ、今こそ、魔力を込めて!」
魔法陣も魔力の粒と同じく二人の間をゆっくりと旋回している。
ロモソルーンの魔法陣の光に照らされて、二人の周囲は真夏の真昼よりも明るく照らされた。
ロモソルーンにせがまれて、シェルは歌いだした。
聞きたい事や疑問に思った事は山ほどある。なぜそんな歌を、母は知っていたのかとか、でも、今はそれどころじゃない。という事も分かった。
だから言われるがままに歌った。
「く、暗い暗い闇の淵
絶望の淵 欠乏の記憶
光は来ない
照らせ 照らせ
星は己の腕の中」
ロモソルーンの魔法陣は縦横無尽に旋回しながら、時々稲光の様な強い光を発して段々とロモソルーンの頭上に集まりだした。
寒い寒い夜の果て
絶望の淵 欠乏の人
天使はいない
照らせ 照らせ
灯りは己の掌の中
どこからともなく強風が吹き荒れ、人間達は立っているのがやっとの状態になって行った。
子供たちを夫婦で抱えて、ドラゴンの陰に隠れる人たちも少なくない、ドラゴン達は、人間達を庇いながらも、見た事も無い魔法が展開されて行く様子を固唾を飲んで見守った。
「歌ってくれよ、シェル。あの歌だ」
「え!?歌?あのの子守歌?」
「子守歌?それが子守歌なものか!」
シェルの戸惑いを、ロモソルーンは快活に笑った。
「それは、トホスマ・スダ初代国王が作った呪い歌だ」
話す合間にロモソルーンが短く一声鳴くと、数えきれない位の量の魔法陣がロモソルーンの周囲に出現した。
「初代の番は文盲だったんだ。だから、初代は言葉の魔法陣を作った。
それがその歌だ。
それは子守歌じゃない、初代国王とその番が同じ時を生きる為に編み出された婚姻の歌だ。
歌えシェル、歌ってくれ、今こそ、魔力を込めて!」
魔法陣も魔力の粒と同じく二人の間をゆっくりと旋回している。
ロモソルーンの魔法陣の光に照らされて、二人の周囲は真夏の真昼よりも明るく照らされた。
ロモソルーンにせがまれて、シェルは歌いだした。
聞きたい事や疑問に思った事は山ほどある。なぜそんな歌を、母は知っていたのかとか、でも、今はそれどころじゃない。という事も分かった。
だから言われるがままに歌った。
「く、暗い暗い闇の淵
絶望の淵 欠乏の記憶
光は来ない
照らせ 照らせ
星は己の腕の中」
ロモソルーンの魔法陣は縦横無尽に旋回しながら、時々稲光の様な強い光を発して段々とロモソルーンの頭上に集まりだした。
寒い寒い夜の果て
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照らせ 照らせ
灯りは己の掌の中
どこからともなく強風が吹き荒れ、人間達は立っているのがやっとの状態になって行った。
子供たちを夫婦で抱えて、ドラゴンの陰に隠れる人たちも少なくない、ドラゴン達は、人間達を庇いながらも、見た事も無い魔法が展開されて行く様子を固唾を飲んで見守った。
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