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暗闇の灯火

◆◆◆◆11

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シェルは、顔をバラ色に染めてロモソルーンを見つめていた。
「シェ、シェル?その・・・」
ロモソルーンがあたふたしていると、シェルはもう一度、今度はきちんとロモソルーンの瞳を見つめてハッキリと言った。
「ルァルァ」
ドラゴンの求愛の言葉を、正しい発音ではっきりと言った。
意味は、『愛している、番になろう』。
「僕、ロモソルーンの番になる」
それは、昨夜も言ったけれど、
「ロモソルーンと1000年生きる」
これは初めて言った。
情けなく、狼狽えていたロモソルーンの顔が、きゅっと締った。
そして言った。
「言ったな」
本当は、色々思った。
こんなに早く返事が貰えるとは思わなかったとか、勢いで決めていないか、とか。
シェルの事を思えば、確認してあげた方が良い事は沢山ある。でも、ロモソルーンはもう覚悟を決めているから、確認してなんてやらないのだ。
たとえ、将来シェルの心が自分から離れても、そして一千年もの命を与えた自分を恨む時が来ても、全部全部飲み込んで、シェルと千年生きると、この、初代トホスマ・スダ国王が行った、大魔法を知った時から決めていたから、今さら引き返す道なんて、指し示してあげない。
覚悟だけなら、卵から孵る前から決めていた。
言質が取れたなら、もう引き返しなんてさせない、シェルはもはや、完全にロモソルーンの物だ。
だから言った。
「言ったな?」
ダメ押しにそう言った。
ロモソルーンがそう言うと、
「言ったよ」
涙で潤んだ両目で微笑みながら、それでもシェルは力強く言い切った。
ロモソルーンは、シェルの迷いのないまっすぐな言葉を聴いて、ニヤリと笑った。
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