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暗闇の灯火

◆◆◆15

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その意味はとうとう分からなかったけれど、旅の道中、傭兵達はギースのこのプレートを確認して、ニヤニヤと笑って、それからギースを集中的に犯し始めたのをシェルは覚えていた。
そのマークは奴隷商のゴメスが手彫りで刻んだから、同じマークは二つと無い、つまり、これは正真正銘シェルの大事な『ギース』の奴隷証のプレートと言う事になる。
「なん・・・で?ギースのプレートが・・・?」
「昨日の殲滅戦で亡骸を見つけた。
昨日殲滅したゴブリンの巣穴、な、俺たちが出会った場所と同じ場所に有ったんだ。
最初は俺も気がつかなかったんだ。何せあの時のゴブリンは全匹俺が壊滅させた筈だし、巣穴も目についた所は全部あの時潰して来たから。
多分幾つか潰し損ねた穴が有ったんだな。そのギースとか言う奴は、その俺が潰し損ねた穴の一つに飾られてたんだ。
その穴を利用して、他のゴブリンの群れが住み着いて、巣穴を作り直してたんだ。
その、ギースとか言う奴、余程の美人だったんだな。
死んだ後も殆ど食われずにゴブリンの倉庫に飾ってあった。
蝋化して、綺麗にミイラになってたよ」
ロモソルーンは、一体ギースがどんな仕打ちを受けたのか、亡骸がゴブリン達にどう使われていたかまでは、言えなかった。
悪夢にうなされて、ギースの名前を叫んで飛び起きるなんて事もあった位だ、きっとギースという男はシェルにとって、大事な存在なのだろう。
本当の事を知ったらシェルはきっと絶対悲しむ。
「ギースを飾ったのは多分、あの時俺が皆殺しにしたゴブリン達だ。だから、昨日殲滅したゴブリン達がそれに気がついていたかは分からねぇけどな。
 いくら美人とはいえ、流石に蝋化までしてちゃ興味なんか示さねぇだろうしな」
ロモソルーンが話すことを、シェルは、手の中の美しい魔石を見つめながらじっと聞いていた。
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