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暗闇の灯火
◆◆◆9
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やはりと言うか、意外にもというか、当然ながらというか、これだけ豪の者が揃っていながら、ロモソルーンを止めたのは、シェルだった。
シェルは、一人、少し開けた所迄駆け躍り出ながら、目にも止まらない早さで何か印を両手で結んだ。
途端に、直径30メートルはあろうかという大きな魔方陣がシェルを中心に展開された。
魔方陣は微かにパリパリと電気が弾けている。
「早い!」
「デカいな」
魔方陣を見て、竜騎士の誰かが言った。
シェルの耳には勿論届かない。
シェルは、空を駆ける黒い炎の固まりを睨み付けると、片腕を槍投げの様に構えた。
海風とは関係なくシェルの髪が魔力の波動に揺れてフワリと舞いだした。
シェルの唇が、魔術を詠唱し始めた。
「弾け駆ける黄金は空と大地が結ぶ豊穣の約束」
シェルが腕を構えたその上空に、直径2メートルもの大きな雷の槍が唸りを上げて現れた。
「駆けろ!雷神の鉾ぉ!」
シェルが詠唱を終え、振り上げた腕をロモソルーンに向かって振り下ろした次の瞬間
「ギャン!」
物凄い雷音とまの抜けた悲鳴と共に、ロモソルーンが雷の槍で吹っ飛ばされて、遥か彼方の海に落ちた。
大きな水柱が見えたと思ったら、一泊遅れてドボーンというドラゴンが海に落ちる音が聞こえてきた。
「・・・え?」
誰かが驚いて気の抜けた声を出した。
「飛んだ」
それを皮切りに、ヒソヒソと人間もドラゴンも入り交じって、今見た現実とはあまり思えない、人間がドラゴンを魔法で吹っ飛ばす、という出来事について話し始めた。
「イヤ、飛んだ」
「飛ばされただろ?」
「漆黒の戦神が吹っ飛ばされた」
「フリだろ?」
「イヤ、ありゃ、わりと本気で吹っ飛ばされたぞ」
「え、シェルってそんなに魔法凄いの?」
「朝一ではわりと恒例な光景だぞ」
シェルの事を良く知らない人間達はその魔法の威力に驚いていた。
シェルは、一人、少し開けた所迄駆け躍り出ながら、目にも止まらない早さで何か印を両手で結んだ。
途端に、直径30メートルはあろうかという大きな魔方陣がシェルを中心に展開された。
魔方陣は微かにパリパリと電気が弾けている。
「早い!」
「デカいな」
魔方陣を見て、竜騎士の誰かが言った。
シェルの耳には勿論届かない。
シェルは、空を駆ける黒い炎の固まりを睨み付けると、片腕を槍投げの様に構えた。
海風とは関係なくシェルの髪が魔力の波動に揺れてフワリと舞いだした。
シェルの唇が、魔術を詠唱し始めた。
「弾け駆ける黄金は空と大地が結ぶ豊穣の約束」
シェルが腕を構えたその上空に、直径2メートルもの大きな雷の槍が唸りを上げて現れた。
「駆けろ!雷神の鉾ぉ!」
シェルが詠唱を終え、振り上げた腕をロモソルーンに向かって振り下ろした次の瞬間
「ギャン!」
物凄い雷音とまの抜けた悲鳴と共に、ロモソルーンが雷の槍で吹っ飛ばされて、遥か彼方の海に落ちた。
大きな水柱が見えたと思ったら、一泊遅れてドボーンというドラゴンが海に落ちる音が聞こえてきた。
「・・・え?」
誰かが驚いて気の抜けた声を出した。
「飛んだ」
それを皮切りに、ヒソヒソと人間もドラゴンも入り交じって、今見た現実とはあまり思えない、人間がドラゴンを魔法で吹っ飛ばす、という出来事について話し始めた。
「イヤ、飛んだ」
「飛ばされただろ?」
「漆黒の戦神が吹っ飛ばされた」
「フリだろ?」
「イヤ、ありゃ、わりと本気で吹っ飛ばされたぞ」
「え、シェルってそんなに魔法凄いの?」
「朝一ではわりと恒例な光景だぞ」
シェルの事を良く知らない人間達はその魔法の威力に驚いていた。
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