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暗闇の灯火

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馬三頭分もある巨体で有りながら、ロモソルーンは一陣のつむじ風程度の風しか起こさず天高く舞い上がった。
シェルを自分の羽の風圧に巻き込まない為に、身体能力に物を言わせて天高くジャンプしてから羽を広げたのだ。
子供の頃からイタズラをして飛び回って鍛えただけの事はあると言うべきなのだろう。
「あれが戦神の動きか・・・」
「けた違いすぎる」
ロモソルーンが来る前に引退した元竜騎士の老人達が呆然と空を見上げてつぶやいていた。
当のロモソルーンは、番大事つがいだいじゆえの意識せず行った動きなので、まさかそんなに周囲を驚かせてるなんて露とも考えず呑気に子ドラゴン達にロモソルーン流メテオの伝授をし始めた。
「良いか、一回しか教えないからな!
 いち、炎のブレスを自分よりも大きく、ゆっくり吐き出す。
 、そのブレスに自分で突っ込む!そして炎の核を掴むか咥え。ブレスをまとう。
だからブレスの温度は溶岩程度、自分が火傷しない程度に調整しねぇとただの自爆になっちまうからな!
 さん、咆哮を上げながら攻撃目標に向かって突っ込む!」
ロモソルーンは得意気に説明すると、
「こうだ!」
と言って自分のふた回りはあろうかという大きなブレスを吐いた。
周囲から歓声とどよめきが上がった。
気が気でないのはシェルだ、
「ロモソルーン!説明だけにしてね!
今の君がメテオなんかやったら隕石が落ちた後みたいになっちゃうぅよー!」
ロモソルーンはシェルの心配を余所に
「大丈夫だー!墓地には落ちねぇよ!」
っとどや顔で返事をした。
人間側の誰もが思った。
違う、そうじゃない、そもそもするな。と。
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