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暗闇の灯火

◆◆◆5

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祝詞に合わせて、メリスが一際高く鳴いた。
メリスの声に合わせてドラゴン達が様々な声で合わせて鳴いて、一斉に穴の中に火を吹いた。
炎はあっという間にもうもうと黒煙を上げながら穴から立ち上ぼり、協会の礼拝堂の屋根位の高さまで有ろうかという程燃え上がったかと思うと、最後に真っ白な水蒸気の煙を上げてあっさりと消えた。
後には、灰と、真っ白に焼けてボロボロになった骨だけが残った。
穴は宣教師達とドラゴン達によって閉じられ、そしてミレニアの葬儀は終わった。
さわさわと、参列者達が帰り始めた。
まだ明るいが、トホスマ・スダの夜は早く、長い。
子供のいる大人達は家路を急がねばもう直ぐ我が子が家に帰ってくる時間だ。
この後食事会も有るが、参加するにも会場は街中で墓場からは少し離れている。
名残惜しいが墓地には長居はしない方が良い。
段々と人間もドラゴンも捌けていった。
シェルも帰ろうとロモソルーンの方を見上げた。
ロモソルーンは、子ドラゴンに絡まれていた。
ギャッギャキューキューと小さなドラゴン達が五、六っ羽飛び回って楽しそうにロモソルーンにじゃれている。
つい、五年前は、絡んでいる方がロモソルーンだったのに。
親ドラゴン達は顔を真っ青にして我が子を止めているが、子ドラゴン達ははしゃいでしまっていて親ドラゴンの声など聞こえていない様だった。
番を持ったばかりの戦神に我が子が絡んでいるドラゴンの心境足るやかくやだ。
巻き込まれるのを恐れた他のドラゴン達は一気にロモソルーンの周囲から遠ざかった。
「ロモソルーン、その子達何て言ってるの?」
「メテオを教えろと言っている」
あぁ、あれか、とシェルはロモソルーンがまだシェルよりも小さかった頃、よくやっていた、とんでもない遊びを思い出した。
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