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暗闇の灯火

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二人を中心に、葬儀に参加したドラゴン達全てが二人に背を向けて休んでいる様な状態になっていた。
「気を利かせてくれたんだろうな、俺がシェルとの時間を邪魔されてブチキレたりしないように」
そうなったらせっかくの厳かかつ和やかに進んでいる神聖なる別れの式が台無しだ。
ロモソルーンはしれっと言うと、シェルが作ってくれた黒ウサギのモモ肉と香草のソテーを二、三足分一口で頬張った。
「うまい」
ご機嫌だ。
それにしても、今日の参列者はドラゴンが多い。
三人の竜騎士の葬儀でもある、とはいえ、ドラゴンの世話係を殺したも同然のドラゴンにとっては許しがたい人間の葬儀とは思えない数だった。
皆、本命はミレニアの葬儀なのだろう、と、容易に想像出来た。
シェルが目の前の光景を見て、ポツリと言った。
「皆、ミレニアが大好きだったんだね」
ロモソルーンが片目を大きく見開いて言葉を返した。
「どんなに好かれても、死んでは花実が咲かん。生きてこそさ」
意地悪な言葉だったけれど。
ロモソルーンの近くのドラゴン達が、シャララと悲しげな鱗の音を立てたのでシェルは微笑んで口をつぐんだ。
「なんだ、もう食べないのか?」
いつもよりも食べないシェルを心配して、ロモソルーンが話題を無視して聞いてきた。
「うん。もうすぐ会食終わりそうだから、暫くしたら移動が始まるはずでしょう?
 ミレニアのお墓の場所は、ここから少し歩くから、食休みしておかないとお腹痛くなっちゃう」
「そうか、なら残りは貰うぞ」
食べれないのでは無く、食べないのだと知って安心したロモソルーンは、残りの食事を一飲みで平らげた。
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