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暗闇の灯火

◆16

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ロモソルーンの言葉は、シェルには何だか暗示的で、意味深に思えた。
「僕を数ヶ月抱き続けられる体?」
シェルは意味がわからず首を傾げてロモソルーンを見つめた。
こんな頑丈そうな体の持ち主が数ヶ月を心配する必要がどこにあるのだろうか。
シェルの疑問を察したロモソルーンが笑った。
「この体じゃ本当に気をつけないと、抱き殺しちまいそうで怖いじゃないか、俺は、お前ともっと深く繋がれて、もっと安心して思う存分交尾できる体になってから巣ごもりしたいんだ」
「・・・あ」
そこまで言われて、どういう意味でロモソルーンが『体の準備をする』と言ったのか理解したシェルは顔を夕日みたいに真っ赤に染めた。
ロモソルーンは、自分の体が数ヶ月もつ様にしなくてはならないと言ったわけではなく、シェルの体をより傷つけないで済む体になると言ったのだ。
そんな話、聞いた事無い、でも出来ると言った。言っていた。
ロモソルーンは人間と変わらない柔らかい体に、シェルを抱きしめるのにちょうど良い大きさの体に成れる、成るとはっきりと言っていた。
ならば。
シェルはロモソルーンを信じるだけだ。
でも、
「自分を危険に晒す事だけはやめてね」
ロモソルーンは未だ五歳、人間でいう所の18前後の青年で血気盛んな年頃だ。釘を刺す事だけは忘れなかった。
「ロモソルーンにもしもの事があったら、きっと僕、町の男達に、トホスマ・スダで最初の性奴隷にされちゃうよ」
自分を引き合いにしてでも、無茶をしない様に言含めておきたかった、
「そんな奴いたら俺が殺してやる!」
早速、シェルの事となると我を忘れるロモソルーンが息巻いて吠えた。
シェルの洗髪で湿った髪が、ロモソルーンの鼻息ではためいた。
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