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暗闇の灯火

◆11

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「あぁっ。あぁっ。んっ!。ロモソルーンっ。すきっ。かこいい・・溶ける」
真っ黒な性器に貫かれ、揺すられながら、シェルの思考はどんどんと溶けて行った。
「ふふ」
すっかり褥で可愛く乱れる様になったシェルを、ロモソルーンは喉を鳴らして見つめながら交尾にふけった。
たとえ子供が出来なくったて、ロモソルーンにとってはこれは純然たる交尾だ。
愛しい番に、自分自身を深く深く突き刺して、自分のすべてを注ぎ込む、魔力を混ぜ、自分の子種を、匂いをその体に染み込ませ、行為が終わった後もロモソルーンの物なのだと印を刻む。
そして今は、この行為はロモソルーンが何年もかけて準備してきた一斉一代の大魔術でもある。
シェルの目には金色の粒が二人の躰に染み込んでいく位にしか見えていないが、ロモソルーンの目には、二人の躰に一種の魔法陣が刻まれているのが見えていた。
それは、レース編みの様に美しく、まるで婚姻の衣裳の様に華やかだった。綺麗な顔立ちのシェルに、よく似あっていた。
魔法陣はもう完璧に出来上がっていた。
あとは、仕掛けたこの魔術を起動させるだけ、それには膨大な魔力と、かなり長い時間が必要になる。だから、いつ始めるかはシェルしだいだ。
ロモソルーンの大きな体の下で、細いシェルがつややかに身を捩って嬌声を上げている。
射精しながら突き上げれば、細い体を弓なりにしならせながらシェルも腰を突き出して鳴いた。
羞恥を忘れて、淫らに身もだえるシェルを、ロモソルーンの金色の瞳が見つめている。
シェルは、ロモソルーンの優しい金色の目に見つめられながら、安心して快楽の中に自我を溶かした。
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