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アッシュレアの敵討ち
◆◆◆◆◆◆◆◆33
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どこへ行くのか、歩き始めようとしたアッシュレアの姿を見て、
「アッシュレアッ」
シェルは、慌ててアッシュレアに声を掛けた。
「・・・なに?」
ロモソルーンの手前も有るのか、アッシュレアは、一応、シェルを振り返って見た。
シェルは、ロモソルーンの所まで駆け寄って、
「また、明日」
また明日、と、アッシュレアに声をかけた。
「分かってると思うけど、明日はお葬式だから、ミレニアを天へ送る為のお葬式だから、来るでしょう?だからっ!」
『また明日ね』。シェルは、ほとんど無理やり明日は会う約束を取り付けた。
こんな時に、何とも気の聞かない話題だとか、シェル自身だって思った。
とっさの事で、それしか、きっかけにする話題が思い付かなかったのだ。
シェルには何だか、明日の約束を、次に会う約束を取り付けないと、直ぐにでもアッシュレアが消えてしまいそうに見えた。だから、無理矢理約束を取り付けた。
祈るように、おまじないの様に。
別に、特別シェルとアッシュレアはそう親しいわけでは無いけれど、それでもシェルは、もう、ゴブリンのせいで誰かが消えるのが嫌だった。
アッシュレアは、微かに頷いて帰って行った。
こうして、アッシュレアの敵討ちは幕を閉じた。
ロモソルーンがゴブリンを平らげてしまったので、この騒ぎの後片付けはアッサリと終わった。
ゴブリンの血や肉はドラゴン達が土ごと食べてしまえば跡形もない。
後は土を馴らしてしまえば元通りだ。
その夜は、谷のどの家も、ミレニアの死を悼んでどことなく慎んで時を過ごした。
水商売の店でさえ、いつもは喧騒に溢れ買える飲み屋でさえ、いつもよりはずっと、静かに過ごした。
夜が更ける。
明日はミレニアの葬式だ。
「アッシュレアッ」
シェルは、慌ててアッシュレアに声を掛けた。
「・・・なに?」
ロモソルーンの手前も有るのか、アッシュレアは、一応、シェルを振り返って見た。
シェルは、ロモソルーンの所まで駆け寄って、
「また、明日」
また明日、と、アッシュレアに声をかけた。
「分かってると思うけど、明日はお葬式だから、ミレニアを天へ送る為のお葬式だから、来るでしょう?だからっ!」
『また明日ね』。シェルは、ほとんど無理やり明日は会う約束を取り付けた。
こんな時に、何とも気の聞かない話題だとか、シェル自身だって思った。
とっさの事で、それしか、きっかけにする話題が思い付かなかったのだ。
シェルには何だか、明日の約束を、次に会う約束を取り付けないと、直ぐにでもアッシュレアが消えてしまいそうに見えた。だから、無理矢理約束を取り付けた。
祈るように、おまじないの様に。
別に、特別シェルとアッシュレアはそう親しいわけでは無いけれど、それでもシェルは、もう、ゴブリンのせいで誰かが消えるのが嫌だった。
アッシュレアは、微かに頷いて帰って行った。
こうして、アッシュレアの敵討ちは幕を閉じた。
ロモソルーンがゴブリンを平らげてしまったので、この騒ぎの後片付けはアッサリと終わった。
ゴブリンの血や肉はドラゴン達が土ごと食べてしまえば跡形もない。
後は土を馴らしてしまえば元通りだ。
その夜は、谷のどの家も、ミレニアの死を悼んでどことなく慎んで時を過ごした。
水商売の店でさえ、いつもは喧騒に溢れ買える飲み屋でさえ、いつもよりはずっと、静かに過ごした。
夜が更ける。
明日はミレニアの葬式だ。
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