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アッシュレアの敵討ち
◆◆◆◆◆◆◆◆29
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竜騎士の何人かが、バツが悪そうな表情をしながら、アッシュレアから視線を反らした。
アッシュレアがそれを、ゴブリンの死骸を見る時と同じ目をしながら睨み付けて、またルメラに向き直った。
「そうしてメリス様の世話係になって、長い間外に出ずにひたすら働いていた。
出られなかったの、意地悪されるか
ら。
数年経って、皆が大人になって、世間体を気にするようになって表だってからかってくる奴らが居なくなってからやっと、私、メリス様の御邸宅から出られる様になったわ。そうしてやっと、私は外にお使いに行く仕事も出来るようになったのよ。
やっとまともな人生が送れる、多分一生独り身だけど、頑張るけど一生独り身だけど、もう、それで良いやって思ってた。
そして、そうしてあの日、私はミレニアに出会ったの」
アッシュレアは、自分のスカートをギュッと握りしめて、三歩後ずさった。
「嬉しかった。お家に帰るまでのごっご遊びでも、家族が出来て。
嬉しかった。ダメ元で私と家族になる?って聞いた時、頷いてくれて。
嬉しかった、付き合っていた男が私を裏切って他に女を探してたって分かったとき、一緒に泣いて怒ってくれて。
毎日他愛もない話をしながら働いて、怖い夢を見たら一緒のベッドで寝たりして、あの子と過ごす日々は、本当に宝物の様だった。
私が両親を無くしてから戦い抜いてやっと掴んだ、たった一つの幸せ、それがミレニアだった。
ねぇ、ルメラ先生」
アッシュレアは、ルメラを暗い瞳で見つめて言った。
「もう充分って、何が充分なんですか?」
「・・・っ」
その、暗い気迫に気圧されて、ルメラは小さく二歩、三歩、よろけた。
アッシュレアがそれを、ゴブリンの死骸を見る時と同じ目をしながら睨み付けて、またルメラに向き直った。
「そうしてメリス様の世話係になって、長い間外に出ずにひたすら働いていた。
出られなかったの、意地悪されるか
ら。
数年経って、皆が大人になって、世間体を気にするようになって表だってからかってくる奴らが居なくなってからやっと、私、メリス様の御邸宅から出られる様になったわ。そうしてやっと、私は外にお使いに行く仕事も出来るようになったのよ。
やっとまともな人生が送れる、多分一生独り身だけど、頑張るけど一生独り身だけど、もう、それで良いやって思ってた。
そして、そうしてあの日、私はミレニアに出会ったの」
アッシュレアは、自分のスカートをギュッと握りしめて、三歩後ずさった。
「嬉しかった。お家に帰るまでのごっご遊びでも、家族が出来て。
嬉しかった。ダメ元で私と家族になる?って聞いた時、頷いてくれて。
嬉しかった、付き合っていた男が私を裏切って他に女を探してたって分かったとき、一緒に泣いて怒ってくれて。
毎日他愛もない話をしながら働いて、怖い夢を見たら一緒のベッドで寝たりして、あの子と過ごす日々は、本当に宝物の様だった。
私が両親を無くしてから戦い抜いてやっと掴んだ、たった一つの幸せ、それがミレニアだった。
ねぇ、ルメラ先生」
アッシュレアは、ルメラを暗い瞳で見つめて言った。
「もう充分って、何が充分なんですか?」
「・・・っ」
その、暗い気迫に気圧されて、ルメラは小さく二歩、三歩、よろけた。
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