267 / 427
アッシュレアの敵討ち
◆◆◆◆◆◆◆◆14
しおりを挟む
戦いは、最早アッシュレアの絶対優位になっていた。
ゴブリンは見るも無惨な姿となり、周囲にいる全ての人間は思っていた。
もうすぐアッシュレアはゴブリンの心臓か頭かに鉈を振り下ろし、止めを刺してこの敵討ちは終わるのだろう、と。
残った右手を、手のひらのなくなった左腕を、闇雲に振り回しながらゴブリンが顔面を恐怖に染めて泣きわめいている。それを真っ黒な憤怒の怒りで両目を染め上げたアッシュレアが容赦なく切り付けていった。
鉈がひるがえる度にゴブリンの悲鳴が上がり、四肢のどれかが少しづつ短くなって行った。
アッシュレアには格闘技の技術も、魔物と戦った経験もない、それは無様で容量の悪い戦い方だった。
しかし、それが、見ているものには一層鬼気迫るものに見えた。
むしろ、態とすこしづつ切り落として、ゴブリンを苦しめている様にも見えた。
「おい、あれはいくらなんでも・・・」
人ごみの中で、誰かがそう言いかけた時。
「きゃーっ」っという悲鳴と同時に、
ガキィィィン
っと耳障りな金属音が聞こえて来た。
「あっ」
誰かが音のした方をみながら声を上げた。
ゴブリンが、アッシュレアの鉈を歯で受け止めて鉈にかじりついていた。
まだ辛うじて数本残っていた右手の爪を大きく振りかぶっている。そのまま振り下ろせば、アッシュレアの手の甲くらいには届きそうだ。
「キャァァ!」
観衆の中からまた悲鳴が上がった。
しかし、アッシュレアは表情一つ変えず空いてる鉈を翻し、その、爪を構えていた腕をめがけて振り下ろした。
ゴブリンの右腕の二の腕から先が飛んだ。
「ガァァァァッ」
ゴブリンは叫び声を上げつつも咥えた鉈は離さなかった。
アッシュレアは鼻を鳴らして無惨な姿になったゴブリンを見下ろすと。
一言。
「暴発」
と唱え、その瞬間、ゴブリンの顎がはぜた。
ゴブリンは見るも無惨な姿となり、周囲にいる全ての人間は思っていた。
もうすぐアッシュレアはゴブリンの心臓か頭かに鉈を振り下ろし、止めを刺してこの敵討ちは終わるのだろう、と。
残った右手を、手のひらのなくなった左腕を、闇雲に振り回しながらゴブリンが顔面を恐怖に染めて泣きわめいている。それを真っ黒な憤怒の怒りで両目を染め上げたアッシュレアが容赦なく切り付けていった。
鉈がひるがえる度にゴブリンの悲鳴が上がり、四肢のどれかが少しづつ短くなって行った。
アッシュレアには格闘技の技術も、魔物と戦った経験もない、それは無様で容量の悪い戦い方だった。
しかし、それが、見ているものには一層鬼気迫るものに見えた。
むしろ、態とすこしづつ切り落として、ゴブリンを苦しめている様にも見えた。
「おい、あれはいくらなんでも・・・」
人ごみの中で、誰かがそう言いかけた時。
「きゃーっ」っという悲鳴と同時に、
ガキィィィン
っと耳障りな金属音が聞こえて来た。
「あっ」
誰かが音のした方をみながら声を上げた。
ゴブリンが、アッシュレアの鉈を歯で受け止めて鉈にかじりついていた。
まだ辛うじて数本残っていた右手の爪を大きく振りかぶっている。そのまま振り下ろせば、アッシュレアの手の甲くらいには届きそうだ。
「キャァァ!」
観衆の中からまた悲鳴が上がった。
しかし、アッシュレアは表情一つ変えず空いてる鉈を翻し、その、爪を構えていた腕をめがけて振り下ろした。
ゴブリンの右腕の二の腕から先が飛んだ。
「ガァァァァッ」
ゴブリンは叫び声を上げつつも咥えた鉈は離さなかった。
アッシュレアは鼻を鳴らして無惨な姿になったゴブリンを見下ろすと。
一言。
「暴発」
と唱え、その瞬間、ゴブリンの顎がはぜた。
4
お気に入りに追加
403
あなたにおすすめの小説
そばかす糸目はのんびりしたい
楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。
母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。
ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。
ユージンは、のんびりするのが好きだった。
いつでも、のんびりしたいと思っている。
でも何故か忙しい。
ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。
いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。
果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。
懐かれ体質が好きな方向けです。今のところ主人公は、のんびり重視の恋愛未満です。
全17話、約6万文字。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
少年野球で知り合ってやけに懐いてきた後輩のあえぎ声が頭から離れない
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
少年野球で知り合い、やたら懐いてきた後輩がいた。
ある日、彼にちょっとしたイタズラをした。何気なく出したちょっかいだった。
だがそのときに発せられたあえぎ声が頭から離れなくなり、俺の行為はどんどんエスカレートしていく。
継母から虐待されて死ぬ兄弟の兄に転生したから継母退治するぜ!
ミクリ21 (新)
BL
継母から虐待されて死ぬ兄弟の兄に転生したダンテ(8)。
弟のセディ(6)と生存のために、正体が悪い魔女の継母退治をする。
後にBLに発展します。
全寮制男子高校生活~行方不明になってた族の総長が王道学園に入学してみた~
雨雪
BL
スイマセン、腐男子要素どこいった状態になりそうだったんでタイトル変えました。
元、腐男子が王道学園に入学してみた。腐男子設定は生きてますがあんま出てこないかもです。
書いてみたいと思ったから書いてみただけのお話。駄文です。
自分が平凡だと本気で思っている非凡の腐男子の全寮制男子校での話。
基本思いつきなんでよくわかんなくなります。
ストーリー繋がんなくなったりするかもです。
1話1話短いです。
18禁要素出す気ないです。書けないです。
出てもキスくらいかなぁ
*改稿終わって再投稿も終わったのでとりあえず完結です~
異世界に召喚されて失明したけど幸せです。
るて
BL
僕はシノ。
なんでか異世界に召喚されたみたいです!
でも、声は聴こえるのに目の前が真っ暗なんだろう
あ、失明したらしいっす
うん。まー、別にいーや。
なんかチヤホヤしてもらえて嬉しい!
あと、めっちゃ耳が良くなってたよ( ˘꒳˘)
目が見えなくても僕は戦えます(`✧ω✧´)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる