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アッシュレアの敵討ち
◆◆◆◆◆◆◆◆8
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「約束の土産だ。俺が漁ったゴブリンの中で、コイツが一番ミレニアの匂いが強かった。ちょっと大きめだが、お前は魔法を使えるし、まぁ最初に手足の一、ニ本ももいでしまえば殺せん事は無いだろう」
キーキーと騒ぐゴブリンをブラブラ揺らしながらロモソルーンがアッシュレアに言った。
アッシュレアは、無表情のまま目玉の光を爛々とさせてゴブリンを見つめた。
「最初に手足を吹き飛ばせば良いのね?分かった」
待ちくたびれて、少し固くなってしまった筋肉をほぐそうとでもしたのか、アッシュレアはゴブリンを見つめながら背中をグイッと伸ばして、左腕をブルリと揺らした。
そして、両手の鉈を縛り付けている布を咥えて引っ張り、更に強く固定した。
アッシュレアの大ぎょうな格好を見た見物に来た町の男達が、ヒソヒソと話し始めた。
『大げさな』、『高々ゴブリン一匹殺すのにあんなにしなくてもよさそうな物を』『コレだから素人は』中には、物見物気分で来ている者も居るのか、クスクスと密やかに嗤う者までいた。
アッシュレアを囲むドラゴンの誰かが、低く咳払いをした。
「酒の入った野郎が何か喚いてるが、いくら上手に魔法が使えてもな、一度も魔物と戦った事の無いズブの素人が、たった一人でゴブリン殺すなんて相当無茶な話しなんだよ。
あれくらいしねぇと殺せねぇよ」
噂話をしていた方を睨み付けて、咳払いをしたドラゴンはそう言った。
その声は、対して大きな声でもなかったのに広場全体に届いた。
アッシュレアは、騒ぎが起きた方へは見向きもしなかったが
「ドラゴンの声は不思議ね。大きな声を出しているわけでも無いのに遠くまで届く」
と、それだけ言った。
キーキーと騒ぐゴブリンをブラブラ揺らしながらロモソルーンがアッシュレアに言った。
アッシュレアは、無表情のまま目玉の光を爛々とさせてゴブリンを見つめた。
「最初に手足を吹き飛ばせば良いのね?分かった」
待ちくたびれて、少し固くなってしまった筋肉をほぐそうとでもしたのか、アッシュレアはゴブリンを見つめながら背中をグイッと伸ばして、左腕をブルリと揺らした。
そして、両手の鉈を縛り付けている布を咥えて引っ張り、更に強く固定した。
アッシュレアの大ぎょうな格好を見た見物に来た町の男達が、ヒソヒソと話し始めた。
『大げさな』、『高々ゴブリン一匹殺すのにあんなにしなくてもよさそうな物を』『コレだから素人は』中には、物見物気分で来ている者も居るのか、クスクスと密やかに嗤う者までいた。
アッシュレアを囲むドラゴンの誰かが、低く咳払いをした。
「酒の入った野郎が何か喚いてるが、いくら上手に魔法が使えてもな、一度も魔物と戦った事の無いズブの素人が、たった一人でゴブリン殺すなんて相当無茶な話しなんだよ。
あれくらいしねぇと殺せねぇよ」
噂話をしていた方を睨み付けて、咳払いをしたドラゴンはそう言った。
その声は、対して大きな声でもなかったのに広場全体に届いた。
アッシュレアは、騒ぎが起きた方へは見向きもしなかったが
「ドラゴンの声は不思議ね。大きな声を出しているわけでも無いのに遠くまで届く」
と、それだけ言った。
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