闇夜の星 暗闇の燈火(やみよの ほし くらやみの ともしび)

アッシュレアの敵討ち

◆◆◆◆◆◆◆◆４

「ミレニアはファーファナルにご執心だったのか、全然気がつかなかったぜ」
ロモソルーンは本当に驚いていた。
ミレニアがファーファナルと一緒にいる所は何度も目にしたが、ミレニアから発情の匂いがした事は一度もない。
ベルマは心底驚いているロモソルーンを横目でチラリと見ると。
「そりゃそうだろ、ミレニアは別にファーファナルに恋をしていた分けじゃねぇと思うし」
とため息混じりに言った。
「どういう事だよ」
意味ありげなベルマの言葉に焦れったさを覚えて、ロモソルーンは眉間にシワを寄せて聞き返した。
「ミレニアはな、アッシュレアとずっと一緒にいる為にファーファナルの番になりたがったんだ」
「・・・・んぁ？」
思いもがけないベルマの言葉を聞いて、間抜けな声を上げてしまった。
「何で、ミレニアがファーファナルと番になるとアッシュレアとずっと一緒にいられる事になるんだよ」
「詳しい理屈は知らねぇよ。ただ、ファーファナルはアッシュレアを番にしたがってはいたんだ。二人でファーファナルの番になればずっと一緒にいられると思ったらしい」
あきれた様な表情を作りながら、ベルマは説明を続けた。
ロモソルーンにとっては初耳の話しなので驚きの連続だ。
「はー・・・また突飛な、じゃぁミレニアはアッシュレアに恋をしていたって事か？いや、それもねぇか」
ミレニアとアッシュレアは年がら年中一緒に行動していたが、二人の内のどちらからも発情の匂いがした事は無い。