251 / 431
アッシュレアの敵討ち
◆◆◆◆◆◆◆16
しおりを挟む
相手がウォルターならば、いくばくか物申せるが、他のドラゴンが相手ではそうもいかない。
しかもロモソルーンは先の決闘でウォルターに勝っている。
今やドラゴン達の中では、ウォルターよりもロモソルーンの方が位が上なのだ。
ドラゴンはプライドが高い、普段は国王と序列以外は平等の様に見えるが、人間には分からない所で決定的に順位みたいなものが存在している。
不用意な行動は起こさない方が利口だ。
ルメラは文句を言うのをぐっと堪えた。
アッシュレアは虚ろな瞳のままロモソルーンを見つめ、又、虚空に視線を戻した。
「打ちたいわ、出来るものなら、なぶり殺しにしてやりたい」
出来るものなら。虚ろな顔で、それでもアッシュレアは仇を打ちたいと言った。
ロモソルーンが鼻を鳴らした。
そして突き放す様な口調で言った。
「呆けたツラで言うな。本気なのかわからん」
冷たい言い方だったけれど、それを聞いたアッシュレアの目の焦点は戻ってきた。
弱々しく虚空を見つめていた瞳が、再び力を取り戻してロモソルーンを見つめ返した。
「仇を打ちたい。出来るものならなぶり殺しにしてやるわ」
そしてきっぱりと言った。先ほどの激しさは無いけれど、その声は決意に満ちていた。
ロモソルーンは数秒アッシュレアを見つめて、再びフンッと鼻を鳴らした。
「一番ミレニアの匂いがついている奴を一匹、手土産に生け捕りにしてきてやる」
アッシュレアはびっくりした表情でロモソルーンを見た。
ロモソルーンは周囲のドラゴン達に問いかけた。
「おい!アッシュレアがミレニアの仇を打ってくれるそうだ。
相手はゴブリン、オレが一匹生け捕りにしてくる。
しかしアッシュレアは竜騎士じゃない、補助が必要だ。
街中をゴブリンに逃げ回られても迷惑だ。
ゴブリンを逃がさない『場』を作ってやろうと思う。手伝う気の有る奴は居るか?」
ロモソルーンが問いかけると、
「つきあおう」
先ずはロモソルーンの幼なじみのベルマが名乗り出た。
しかもロモソルーンは先の決闘でウォルターに勝っている。
今やドラゴン達の中では、ウォルターよりもロモソルーンの方が位が上なのだ。
ドラゴンはプライドが高い、普段は国王と序列以外は平等の様に見えるが、人間には分からない所で決定的に順位みたいなものが存在している。
不用意な行動は起こさない方が利口だ。
ルメラは文句を言うのをぐっと堪えた。
アッシュレアは虚ろな瞳のままロモソルーンを見つめ、又、虚空に視線を戻した。
「打ちたいわ、出来るものなら、なぶり殺しにしてやりたい」
出来るものなら。虚ろな顔で、それでもアッシュレアは仇を打ちたいと言った。
ロモソルーンが鼻を鳴らした。
そして突き放す様な口調で言った。
「呆けたツラで言うな。本気なのかわからん」
冷たい言い方だったけれど、それを聞いたアッシュレアの目の焦点は戻ってきた。
弱々しく虚空を見つめていた瞳が、再び力を取り戻してロモソルーンを見つめ返した。
「仇を打ちたい。出来るものならなぶり殺しにしてやるわ」
そしてきっぱりと言った。先ほどの激しさは無いけれど、その声は決意に満ちていた。
ロモソルーンは数秒アッシュレアを見つめて、再びフンッと鼻を鳴らした。
「一番ミレニアの匂いがついている奴を一匹、手土産に生け捕りにしてきてやる」
アッシュレアはびっくりした表情でロモソルーンを見た。
ロモソルーンは周囲のドラゴン達に問いかけた。
「おい!アッシュレアがミレニアの仇を打ってくれるそうだ。
相手はゴブリン、オレが一匹生け捕りにしてくる。
しかしアッシュレアは竜騎士じゃない、補助が必要だ。
街中をゴブリンに逃げ回られても迷惑だ。
ゴブリンを逃がさない『場』を作ってやろうと思う。手伝う気の有る奴は居るか?」
ロモソルーンが問いかけると、
「つきあおう」
先ずはロモソルーンの幼なじみのベルマが名乗り出た。
15
お気に入りに追加
407
あなたにおすすめの小説
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
四大精霊の愛し子はシナリオクラッシャー
ノルねこ
BL
ここはとある異世界ファンタジー世界を舞台にした、バトルあり、ギャルゲー・乙女ゲー要素ありのRPG「最果てに咲くサフィニア」、通称『三さ』もしくは『サン=サーンス』と呼ばれる世界。
その世界に生を受けた辺境伯の嫡男ルーク・ファルシオンは転生者ーーーではない。
そう、ルークは攻略対象者でもなく、隠しキャラでもなく、モブですらなかった。
ゲームに登場しているのかすらもあやふやな存在のルークだが、なぜか生まれた時から四大精霊(火のサラマンダー、風のシルフ、水のウンディーネ、地のノーム)に懐かれており、精霊の力を借りて辺境領にある魔獣が棲む常闇の森で子供の頃から戦ってきたため、その優しげな相貌に似合わず脳筋に育っていた。
十五歳になり、王都にある王立学園に入るため侍従とともに出向いたルークはなぜか行く先々で無自覚に登場人物たちに執着され、その結果、本来攻略対象者が行うはずのもろもろの事件に巻き込まれ、ゲームのシナリオを崩壊させていく。
小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる