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アッシュレアの敵討ち
◆◆◆◆◆◆◆14
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あんな所、女の子が行っちゃいけない。
「心もそういう準備が出来てるから、最後の最後までまともなままで、本当に、苦しみもがいて、泣き叫んで、誰も助けてくれる人なんていなくて、何度も何度もゴブリンの子供を産まされて、死んでいった。
あんな所、女性が行っちゃいけない。
アッシュレア、特に貴女は行っちゃダメだ。
ミレニアが、全てを犠牲にして守ってくれたんじゃないか」
あんな姿になってまで、守ってくれた命じゃないか。
「そんな大事にされた貴女が、あんな所に行っちゃいけないよ」
シェルがそう言った所で、アッシュレアはとうとうシェルの言葉に負けて、その場にへたり込んだ。
「そんな・・・じゃぁ。ミレニアは・・・」
虚空を呆然と見つめながら、それだけ言って老婆のように背中を丸めてへたり込んだ。
「ごめん。否定出来ない。多分、タヨタは知っていたんだ。だからこそあそこまで酷い復讐をしたんだと思う」
ショックを受けて呆然としているアッシュレアを前にしても、シェルは優しい嘘すら言えなかった。
間違っても早まらない様に、ゴブリンに捕まるという事が、一体どういう事なのか分からせておきたかった。
「アッシュレア。敵討ちは竜騎士とドラゴン達に任せよう」
アッシュレアは緩く首を振ったけれど、その場から立ち上がろうともしなかった。
医者のルメラが駆け寄ってきて、アッシュレアの肩をそっと抱いた。
アッシュレアはその腕を、振りほどきも寄りかかりもせず、何かに取り付かれたみたいに虚空を見続けていた。
ドラゴンと竜騎士達が自分達の場所に戻っていき、点呼を再開し始めている。
騒ぎが何とか収まったと思って、シェルはほっと肩を撫で下ろした。
ロモソルーンがそっとシェルの頬にくちばしを寄せた。
「お疲れ」
優しくそっとささやいたそのくちばしに、シェルは、ほっとしながらほうずりをして、
「ありがとう」
と言って握りしめていたロモソルーンの尻尾から手を離した。
「心もそういう準備が出来てるから、最後の最後までまともなままで、本当に、苦しみもがいて、泣き叫んで、誰も助けてくれる人なんていなくて、何度も何度もゴブリンの子供を産まされて、死んでいった。
あんな所、女性が行っちゃいけない。
アッシュレア、特に貴女は行っちゃダメだ。
ミレニアが、全てを犠牲にして守ってくれたんじゃないか」
あんな姿になってまで、守ってくれた命じゃないか。
「そんな大事にされた貴女が、あんな所に行っちゃいけないよ」
シェルがそう言った所で、アッシュレアはとうとうシェルの言葉に負けて、その場にへたり込んだ。
「そんな・・・じゃぁ。ミレニアは・・・」
虚空を呆然と見つめながら、それだけ言って老婆のように背中を丸めてへたり込んだ。
「ごめん。否定出来ない。多分、タヨタは知っていたんだ。だからこそあそこまで酷い復讐をしたんだと思う」
ショックを受けて呆然としているアッシュレアを前にしても、シェルは優しい嘘すら言えなかった。
間違っても早まらない様に、ゴブリンに捕まるという事が、一体どういう事なのか分からせておきたかった。
「アッシュレア。敵討ちは竜騎士とドラゴン達に任せよう」
アッシュレアは緩く首を振ったけれど、その場から立ち上がろうともしなかった。
医者のルメラが駆け寄ってきて、アッシュレアの肩をそっと抱いた。
アッシュレアはその腕を、振りほどきも寄りかかりもせず、何かに取り付かれたみたいに虚空を見続けていた。
ドラゴンと竜騎士達が自分達の場所に戻っていき、点呼を再開し始めている。
騒ぎが何とか収まったと思って、シェルはほっと肩を撫で下ろした。
ロモソルーンがそっとシェルの頬にくちばしを寄せた。
「お疲れ」
優しくそっとささやいたそのくちばしに、シェルは、ほっとしながらほうずりをして、
「ありがとう」
と言って握りしめていたロモソルーンの尻尾から手を離した。
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