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アッシュレアの敵討ち

◆◆◆◆◆◆◆13

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奴隷も商人も傭兵も皆、そうやってのたうち周りながら殺されていった。
自分だって、檻の中に入れられていなければ、その檻の中央に、鎖を固定する輪が無ければ、きっと同じ目に有っていた。
「僕は所謂初物だったから、丈夫な檻に入れられていて、それで助かったんだよ」
ゴブリンが壊せない程丈夫で、ゴブリンが手を策から差し込んでも、中央に逃げたシェルに手が届かない程大きな檻。
ゴメスが唯一行った善行は、傭兵にレイプされない様に、シェルを檻に入れたことだ。
「僕はね、アッシュレア。
 トホスマ・スダの竜騎士に、女の人がいない一番の理由は、ゴブリンなんじゃないかと思っているんだ」
皆殺されていった。
皆、殺されていったけれど。
「女の人はね、生きてしまうんだ。最後まで」
ゴブリン達に襲われて、一番悲惨だったのが女性の奴隷達だった。
揺らぐアッシュレアのアーモンド色の瞳をじっと見つめて、シェルは必死に語った。
語りながら思い出す。あの生き地獄。
傭兵の断末魔の叫び声。
ゴブリン達に引きずられていく奴隷達の鎖の音、泣き叫ぶ奴隷達の声、ゴブリン達の不恰好な体と吐き気を催す体臭。あの、ギースの叫び声。
「男は、男の人はさ、体に子供を生む器官が無いせいか、皆、最初の出産で頭がおかしくなって、何も分からなくなって、多くても三回目の出産位で死ねるんだ。
 でも、女の人は、有るだろう?」
子供を育む場所が、ゴブリンの苗床にうってつけの器官が。
察したアッシュレアが真っ青な顔になって、弱々しく首を振った。
きっともう、これ以上話を聞きたくないと思っているに違いない、でも、シェルは語る。アッシュレアを止める為に。
本当に有った残酷な物語を。
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