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アッシュレアの敵討ち
◆◆◆◆◆◆◆6
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ミレニアの死はファーファナルの落ち度では無い、しかし、悲しみと怒りに目の眩んだ今のアッシュレアには、ミレニアのあまりにも悲惨な死に方について、ファーファナルに全く責任が無いとは思えなかった。
アッシュレアは、ミレニアと三人の新米ドラゴン騎士とのトラブルについて、ファーファナルにも報告していたのだ。
ファーファナルはこの谷の『序列』であるメリスの息子だ。
いくら完全実力主義ゆえに、政治において血縁をまったく考慮しないドラゴンと言えども、ファーファナルならばこんな結果にならない様な何か手立てを講じる事が出来たのではないだろうか?
ミレニアを守り切れなかった主人を、汚れも落とさず亡骸を人前にさらした主人を、アッシュレアは許す事が出来なかった。
「アッシュレア・・・」
ファーファナルはアッシュレアの余りの剣幕に驚いて返す言葉も無く項垂れた。
後から二人を追ってきたルメラが慌ててアッシュレアをいさめた。
「アッシュレア、流石に言い過ぎよ!ファーファナル様に謝りましょう!」
「いいんだ、ルメラ」
いさめるルメラを止めたのは、当のファーファナル自身だった。
「アッシュレアには僕を責める権利がある。
アッシュレアは、血のつながりこそ無いものの、間違いなくミレニアの家族だ。
僕はこの人から大切な家族を預かっておきながら、最悪の死に方で死なせてしまったんだ。
よりにもよって、ゴブリンなんかに・・・。
アッシュレアは、いつか必要になるだろうからって、ミレニアの結婚衣装まで用意してたんだ・・・」
ファーファナルはアッシュレアの怒りをよく理解していた。
それでも、生まれたばかりの時、守り抱きしめてくれた人に憎悪の感情をぶつけられるのはずいぶん辛かった。
アッシュレアは、ミレニアと三人の新米ドラゴン騎士とのトラブルについて、ファーファナルにも報告していたのだ。
ファーファナルはこの谷の『序列』であるメリスの息子だ。
いくら完全実力主義ゆえに、政治において血縁をまったく考慮しないドラゴンと言えども、ファーファナルならばこんな結果にならない様な何か手立てを講じる事が出来たのではないだろうか?
ミレニアを守り切れなかった主人を、汚れも落とさず亡骸を人前にさらした主人を、アッシュレアは許す事が出来なかった。
「アッシュレア・・・」
ファーファナルはアッシュレアの余りの剣幕に驚いて返す言葉も無く項垂れた。
後から二人を追ってきたルメラが慌ててアッシュレアをいさめた。
「アッシュレア、流石に言い過ぎよ!ファーファナル様に謝りましょう!」
「いいんだ、ルメラ」
いさめるルメラを止めたのは、当のファーファナル自身だった。
「アッシュレアには僕を責める権利がある。
アッシュレアは、血のつながりこそ無いものの、間違いなくミレニアの家族だ。
僕はこの人から大切な家族を預かっておきながら、最悪の死に方で死なせてしまったんだ。
よりにもよって、ゴブリンなんかに・・・。
アッシュレアは、いつか必要になるだろうからって、ミレニアの結婚衣装まで用意してたんだ・・・」
ファーファナルはアッシュレアの怒りをよく理解していた。
それでも、生まれたばかりの時、守り抱きしめてくれた人に憎悪の感情をぶつけられるのはずいぶん辛かった。
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