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アッシュレアの敵討ち
◆◆◆◆◆◆◆4
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ドラゴンも人間も銘々自分達の隊別に集まり、列を作り始め、揃った所から点呼をし始めた。
鎧や武器がぶつかり合う音や点呼の声、先に集合場所にたどり着き、点呼待ちをしている者達の世間話の声で広場は一気に賑やかになった。
「俺ももう行かねぇと、どやされるな」
ロモソルーンは名残惜し気にシェルから離れ、しんがりの部隊に加わっていった。
(ロモソルーンは、また先頭か)
戦神と言われる位強いロモソルーンは、こういう時はやはり隊の先頭を任される。
ロモソルーンなら大丈夫、だって谷で一番強いドラゴンなんだから。
でも、強いからって、いつも大変で危険な役目ばかりさせられて。
強いから大丈夫、強すぎるがゆえに危険な役割ばかり任されて心配。
シェルは複雑な思いを抱えながら戦いに向かってゆくロモソルーンの背中を見つめた。
いっそう賑やかになって行く周囲の喧騒も、ロモソルーンの背中を心配しながら見つめるシェルには届かなかった。
余りに一心にロモソルーンの背中を見つめすぎて、後ろから聞こえてくるファーファナルの慌てた声も直ぐそばに来るまで気が付かなかった位だ。
「思い直すんだ!アッシュレア。アッシュレア!!」
ファーファナルが直ぐ後ろで張り上げた大声で、ようやくシェルは我に返った。
驚き、振り向いてあたりを見回すと、人間達は、皆、呆然とした表情でファーファナルと、その前を歩くアッシュレアを見つめていた。
「アッシュレア?」
シェルもまた、アッシュレアを見て驚き、思わず彼女の名前を呟いた。
彼女は、アッシュレアは、刃渡りが彼女の腰までは有ろうかという程の大きな大剣を引きずりながら歩いていた。
鎧や武器がぶつかり合う音や点呼の声、先に集合場所にたどり着き、点呼待ちをしている者達の世間話の声で広場は一気に賑やかになった。
「俺ももう行かねぇと、どやされるな」
ロモソルーンは名残惜し気にシェルから離れ、しんがりの部隊に加わっていった。
(ロモソルーンは、また先頭か)
戦神と言われる位強いロモソルーンは、こういう時はやはり隊の先頭を任される。
ロモソルーンなら大丈夫、だって谷で一番強いドラゴンなんだから。
でも、強いからって、いつも大変で危険な役目ばかりさせられて。
強いから大丈夫、強すぎるがゆえに危険な役割ばかり任されて心配。
シェルは複雑な思いを抱えながら戦いに向かってゆくロモソルーンの背中を見つめた。
いっそう賑やかになって行く周囲の喧騒も、ロモソルーンの背中を心配しながら見つめるシェルには届かなかった。
余りに一心にロモソルーンの背中を見つめすぎて、後ろから聞こえてくるファーファナルの慌てた声も直ぐそばに来るまで気が付かなかった位だ。
「思い直すんだ!アッシュレア。アッシュレア!!」
ファーファナルが直ぐ後ろで張り上げた大声で、ようやくシェルは我に返った。
驚き、振り向いてあたりを見回すと、人間達は、皆、呆然とした表情でファーファナルと、その前を歩くアッシュレアを見つめていた。
「アッシュレア?」
シェルもまた、アッシュレアを見て驚き、思わず彼女の名前を呟いた。
彼女は、アッシュレアは、刃渡りが彼女の腰までは有ろうかという程の大きな大剣を引きずりながら歩いていた。
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