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アッシュレアの敵討ち

◆◆◆◆◆◆◆3

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ルメラは、シェルをただ形だけ助手に据え置いてお客様扱いするなんて事はせず、きちんと仕事も用意してくれた。
「シェル君には、他のベテランの助手の子達が私の治療の補助や問診に集中出来る様に、ゴミを捨てたり、お使いをしたり、アチコチのお掃除をしたりしてほしいの、絶対に一人で行動しないでね。
 男の人ってね、病気や怪我をすると頭がおかしくなって、誰彼構わずチンコ絶てる男がけっこういるの。
 しかもそういう人って何故か怪我や病気にかかりやすいのよ。
 だから実は病院には変質者が多いの。
 そういう人達ってね、本当に頭おかしくなっちゃっているから、生まれたての赤ちゃんにだって突っ込もうとするのよ。
 お陰で入院施設建てる時、どんなに頭を悩ませた事か・・・・。
 掃除をしながら周囲もよく確認してね、診療所の人気の無い所で一人でウロウロしている子供や女の子がいたら絶対に保護してちょうだいね」
「わかりました」
ルメラにそう言われて、ふと両親と幸せに暮らしていた頃の事を思い出した。
そういえば、シェルの家の営む薬屋にも、日に一人二人は変な客が来ていた。
だから両親はシェルを決して店番にはしなかった。
一瞬視線を遠くに置いたシェルを、ロモソルーンがいたずらっぽそうな表情をしながら小首をかしげて覗き込んできた。
「ふふふ、君は本当に目端が利くね。大丈夫だよ。ちょっと両親を思い出して懐かしく思っただけだよ」
「心配だな」
ロモソルーンが柔らかいくちばしでシェルの頬を撫でた。
「ありがとう」
ロモソルーンの温もりを感じて、シェルは心まで温かくなった気がした。
討伐隊の総大長が点呼開始の号令を出した。
もうすぐ、仇を打つ為の戦いの時が来る。
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