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アッシュレアの敵討ち

◆◆◆◆14 

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分からないのは、何故タヨタがそれを行ったのかという事。ドラゴンと事実上の奴隷契約まで取り交わしてまで?。
ルメラの知る限り、タヨタとミレニアとは血の繋がりどころか、友人としての繋がりすら無かった筈だ。
ルメラとミレニアは何だかんだ親しく話す間柄では有ったが、ミレニアの口から今まで一度たりともタヨタの話なんて聞いた事が無いし、街中でミレニアとタヨタが話している所も見た事も無い。
元とは言え竜騎士になった様な男が、その身もプライドも全て捨ててドラゴンの奴隷に成り下がってまで敵を討ちたいと願う程の思い入れがあったとは思えない。
ルメラの困惑を表情から読み取ったタヨタが、暗く笑って語り出した。
「俺はな、片腕片足の役立たずになってからこの八年、ミレニアの『お早うございます』を聞きたいが為だけに生きて来たんだ」
「―――は?」
「まぁ、聞けよ、知りたいんだろう?何で全く関係があったとは思えない俺が、ドラゴンにケツ掘られるなんて、俺にしてみたら死んだ方がマシみたいな酷い契約をしてまでアイツ等を殺した理由が」
有るのか理由が、ルメラは黙って頷いた。
ルメラが納得出来る様な理由が有るならば、聞きたい。
「八年前の、あの護衛中に魔獣の群れに襲われて、隊の殆どの人間が死んで、俺が片腕片足失くしたあの年、俺は死ぬ積もりだったんだ。亡くなった部下達の墓を見舞って、その後死のうと思って墓に花を手向けに言った。そこで幼いミレニアに合ったんだ」
タヨタは、とても作り物の手足が付いてるとは思えない自然な仕草で、剣に寄りかかりながら語り始めた。
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