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アッシュレアの敵討ち
◆◆◆◆8
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「奇妙?」
「ベノンとダヤは家族は父親一人だけだったそうなのだが、二人の父親両方共、胡坐をかいた姿勢のまま首を切り落とされていたそうだ」
果たして、その首は二人の父親自ら差し出したのか、脅して座らされたのか、死んでしまっていては声も出ない、今更確かめる手だては無いが。
「二人の亡骸は、昨日ミレニアが運ばれた広場に一旦置かれている筈だ」
「そうか」
ヴェスカはそれだけ言って、窓から出した顔を引っ込めた。
四人の遺体を集め終わるのには正午からさらに三時間ほど時間が過ぎるまでかかった。
トホスマ・スダの夕方は早い、季節柄まだ明るいが、もう二時間ほど経てば日が沈むという頃、全ての作業が終わって、広場には現実とはにわかには信じがたい死に様の亡骸が六体並べられていた。
「三人の家は、もう使えないな」
誰かがそうポツリと言った。
北端の、小さな国の片隅にある谷の、村とも言える位の小さな町で起きなこの凄惨な出来事はもう町中に知れ渡っていた。
ドラゴン同士の伝達で、明日には国中に知れ渡っている筈。
今さら空屋になった所で100年は住む人間は居ないだろう。
その前に家は朽ちる。
「新しい家に立て替えた所で住みたがる人間が出るとは思えんぞ」
他の誰かの言葉に、周りの者が頷いた。
かといって、放っておいたら直ぐ自然に飲まれ、ゴブリンが隠れる事ができる場所を町中に作ってしまう事になる。
基本的にドラゴンの住まうこの町にゴブリンが入り込む事は無いが、狡猾だが貪欲なゴブリンは稀に町中に入り込もうとする時が有る。
町の近くの森で戦闘になった時に間違って町の方へ逃げてくる時も有る。不用意に隠れ場所になりえる箇所は作るべきではない。
「ベノンとダヤは家族は父親一人だけだったそうなのだが、二人の父親両方共、胡坐をかいた姿勢のまま首を切り落とされていたそうだ」
果たして、その首は二人の父親自ら差し出したのか、脅して座らされたのか、死んでしまっていては声も出ない、今更確かめる手だては無いが。
「二人の亡骸は、昨日ミレニアが運ばれた広場に一旦置かれている筈だ」
「そうか」
ヴェスカはそれだけ言って、窓から出した顔を引っ込めた。
四人の遺体を集め終わるのには正午からさらに三時間ほど時間が過ぎるまでかかった。
トホスマ・スダの夕方は早い、季節柄まだ明るいが、もう二時間ほど経てば日が沈むという頃、全ての作業が終わって、広場には現実とはにわかには信じがたい死に様の亡骸が六体並べられていた。
「三人の家は、もう使えないな」
誰かがそうポツリと言った。
北端の、小さな国の片隅にある谷の、村とも言える位の小さな町で起きなこの凄惨な出来事はもう町中に知れ渡っていた。
ドラゴン同士の伝達で、明日には国中に知れ渡っている筈。
今さら空屋になった所で100年は住む人間は居ないだろう。
その前に家は朽ちる。
「新しい家に立て替えた所で住みたがる人間が出るとは思えんぞ」
他の誰かの言葉に、周りの者が頷いた。
かといって、放っておいたら直ぐ自然に飲まれ、ゴブリンが隠れる事ができる場所を町中に作ってしまう事になる。
基本的にドラゴンの住まうこの町にゴブリンが入り込む事は無いが、狡猾だが貪欲なゴブリンは稀に町中に入り込もうとする時が有る。
町の近くの森で戦闘になった時に間違って町の方へ逃げてくる時も有る。不用意に隠れ場所になりえる箇所は作るべきではない。
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