184 / 432
アッシュレアの敵討ち
◆◆◆◆2
しおりを挟む
『例の三人はどうした?』、そう、誰かが苛立ち紛れに怒鳴って、皆、ハタリと気が着いた。
そう言えば今日、正真正銘先頭に立つはずの件の三人、ベノン、ダヤ、オルクが未だいない。
集まった竜騎士達はザワザワと周囲の者達と今日三人の誰かに合ったか確認し合い始めた。
「昨夜酒場でなら合ったぞ」
「俺もだ」
「俺達も合った」
「まぁ、谷の酒場なんてたかが数が知れているからな」
どうやらベノン達三人は随分と昨夜酒を飲んでいたらしい、集まった竜騎士達は口々に酒場で合ったと報告し始めた。
「俺達は夜遅くに町の中心の広場で合ったぞ、片足のタヨタと酒を飲んでいた」
「あぁ、あの元竜騎士の、そう言えば、あの人も昨日は見かけなかったな」
タヨタとは、七、八年前まで竜騎士として名を馳せていた男で、ある日、他国に出入りをする者達の護衛をしていた時に魔物の大群と遭遇してしまい、片足と片腕を失くした。
以来、街の出入口の番人をしている男だ。
特別ベノン達三人と親しいと噂が立った事は一度も無いが、
「他に見たヤツはいるか?」
「イヤ、俺も昨日は酒場に入っていく所を見ただけだ」
「まさか酔いつぶれてるんじゃねぇか?」
誰かが言うと、
「逃げたんじゃねぇよなぁ、娼館には居なかったのか?」
他の誰かが娼館で合った者は居ないのかと声を上げた。
「ベノンはこの町の娼館からは出禁食らってるから行かねぇよ」
「娼館に出禁食らうってよっぽどだぞ。アイツ何やったんだ!?」
「おい、話がそれてるゾ。もう誰か三人の家に行って来いよ。どこにいるのか位分かるだろ」
余りに、情報が集まらない為、しびれを切らせた隊長格の騎士が家まで迎えを行かせようとしたが、行てが居なかった。
そう言えば今日、正真正銘先頭に立つはずの件の三人、ベノン、ダヤ、オルクが未だいない。
集まった竜騎士達はザワザワと周囲の者達と今日三人の誰かに合ったか確認し合い始めた。
「昨夜酒場でなら合ったぞ」
「俺もだ」
「俺達も合った」
「まぁ、谷の酒場なんてたかが数が知れているからな」
どうやらベノン達三人は随分と昨夜酒を飲んでいたらしい、集まった竜騎士達は口々に酒場で合ったと報告し始めた。
「俺達は夜遅くに町の中心の広場で合ったぞ、片足のタヨタと酒を飲んでいた」
「あぁ、あの元竜騎士の、そう言えば、あの人も昨日は見かけなかったな」
タヨタとは、七、八年前まで竜騎士として名を馳せていた男で、ある日、他国に出入りをする者達の護衛をしていた時に魔物の大群と遭遇してしまい、片足と片腕を失くした。
以来、街の出入口の番人をしている男だ。
特別ベノン達三人と親しいと噂が立った事は一度も無いが、
「他に見たヤツはいるか?」
「イヤ、俺も昨日は酒場に入っていく所を見ただけだ」
「まさか酔いつぶれてるんじゃねぇか?」
誰かが言うと、
「逃げたんじゃねぇよなぁ、娼館には居なかったのか?」
他の誰かが娼館で合った者は居ないのかと声を上げた。
「ベノンはこの町の娼館からは出禁食らってるから行かねぇよ」
「娼館に出禁食らうってよっぽどだぞ。アイツ何やったんだ!?」
「おい、話がそれてるゾ。もう誰か三人の家に行って来いよ。どこにいるのか位分かるだろ」
余りに、情報が集まらない為、しびれを切らせた隊長格の騎士が家まで迎えを行かせようとしたが、行てが居なかった。
7
お気に入りに追加
410
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

【完結】試練の塔最上階で待ち構えるの飽きたので下階に降りたら騎士見習いに惚れちゃいました
むらびっと
BL
塔のラスボスであるイミルは毎日自堕落な生活を送ることに飽き飽きしていた。暇つぶしに下階に降りてみるとそこには騎士見習いがいた。騎士見習いのナーシンに取り入るために奮闘するバトルコメディ。
新しい聖女が見付かったそうなので、天啓に従います!
月白ヤトヒコ
ファンタジー
空腹で眠くて怠い中、王室からの呼び出しを受ける聖女アルム。
そして告げられたのは、新しい聖女の出現。そして、暇を出すから還俗せよとの解雇通告。
新しい聖女は公爵令嬢。そんなお嬢様に、聖女が務まるのかと思った瞬間、アルムは眩い閃光に包まれ――――
自身が使い潰された挙げ句、処刑される未来を視た。
天啓です! と、アルムは――――
表紙と挿し絵はキャラメーカーで作成。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる