183 / 432
アッシュレアの敵討ち
◆◆◆◆1
しおりを挟む
一夜開けたゴブリン殲滅の日の朝は早かった。
ゴブリン達は昼夜行性だ。一網打尽にするには、巣に全ゴブリンが戻って眠った午前中中頃が一番時間帯的に相応しい。
その頃突撃するためには、少なくとも前衛や指揮を取る者、主戦力となる者達は夜も明けるか未だかという頃に集まる必要があった。
作戦や武器の最終点検、部隊員の体調確認の為だ。
ロモソルーンは間違いなく、最も大きな主戦力なので当然早朝集合組だった。
シェルも見送る為に殲滅部隊の集合場所までついて行った。
そこで、人間達は不思議な光景を見る事になった。
集まったドラゴン達が妙にソワソワしているのだ。
緊迫しているわけでは無いが、揃いも揃ってソワソワキョロキョロとしている。
シェルの前なので格好をつけているハズのロモソルーンでさえ少し落ち着きがない。
「どうしたの?ロモソルーン」
基本、集団行動を好まない個人主義者のドラゴン達の、一様の様子を変に思ってシェルがロモソルーンに声をかけた。
『血の匂いがするんだ。町の中で』
ロモソルーンがどこからするのか探るように鼻先をあちこちに向けてキョロキョロしながら言った。
血の匂い、それは昨日のミレニアの血ではないのか。
ドラゴン達のあまりの落ち着きの無さに騎士達にも焦りが見え始めていた。
頭を振ったり、足踏みしたりと、ドラゴン達がちっともじっとしていないため、騎士がドラゴンの背に乗るためにドラゴンに装着してもらう鞍を上手く付けれずにイライラしている。
「おい、そういえば例の三人はどうした?!姿が見えねぇぞ!」
ついにはそのイライラの矛先はベノン達三人に向いた。
ゴブリン達は昼夜行性だ。一網打尽にするには、巣に全ゴブリンが戻って眠った午前中中頃が一番時間帯的に相応しい。
その頃突撃するためには、少なくとも前衛や指揮を取る者、主戦力となる者達は夜も明けるか未だかという頃に集まる必要があった。
作戦や武器の最終点検、部隊員の体調確認の為だ。
ロモソルーンは間違いなく、最も大きな主戦力なので当然早朝集合組だった。
シェルも見送る為に殲滅部隊の集合場所までついて行った。
そこで、人間達は不思議な光景を見る事になった。
集まったドラゴン達が妙にソワソワしているのだ。
緊迫しているわけでは無いが、揃いも揃ってソワソワキョロキョロとしている。
シェルの前なので格好をつけているハズのロモソルーンでさえ少し落ち着きがない。
「どうしたの?ロモソルーン」
基本、集団行動を好まない個人主義者のドラゴン達の、一様の様子を変に思ってシェルがロモソルーンに声をかけた。
『血の匂いがするんだ。町の中で』
ロモソルーンがどこからするのか探るように鼻先をあちこちに向けてキョロキョロしながら言った。
血の匂い、それは昨日のミレニアの血ではないのか。
ドラゴン達のあまりの落ち着きの無さに騎士達にも焦りが見え始めていた。
頭を振ったり、足踏みしたりと、ドラゴン達がちっともじっとしていないため、騎士がドラゴンの背に乗るためにドラゴンに装着してもらう鞍を上手く付けれずにイライラしている。
「おい、そういえば例の三人はどうした?!姿が見えねぇぞ!」
ついにはそのイライラの矛先はベノン達三人に向いた。
8
お気に入りに追加
410
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
新しい聖女が見付かったそうなので、天啓に従います!
月白ヤトヒコ
ファンタジー
空腹で眠くて怠い中、王室からの呼び出しを受ける聖女アルム。
そして告げられたのは、新しい聖女の出現。そして、暇を出すから還俗せよとの解雇通告。
新しい聖女は公爵令嬢。そんなお嬢様に、聖女が務まるのかと思った瞬間、アルムは眩い閃光に包まれ――――
自身が使い潰された挙げ句、処刑される未来を視た。
天啓です! と、アルムは――――
表紙と挿し絵はキャラメーカーで作成。

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる