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アッシュレアの敵討ち

◆◆◆5

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『人間は嗅覚が鈍いから分かっていないが、雌も雄も性欲が高まるとそういう匂いがするんだ。ドラゴンだだけではなく、人間以外の動物は相手がその時発情してるか否かは、大概分かる』
「うん?」
突然話し始めたロモソルーンにシェルが戸惑いながら頷く。
『だから、成長と共に人間以外の動物や獣人達は自然と学ぶのさ、自分達がどんな時に発情するのか』
「・・・あ!」
それが、先ほど『何でそんな事知ってるの?』と聞いたシェルへの返答なのだと気が着いて、シェルは思わず声を上げた。
他に相手を物色よそ見したと勘違いされては堪らないからな』
ロモソルーンが『ん?』っと小首を傾げ、気が澄んだかと問えば、シェルが照れくさそうに
「うん」
とほほを染めて答えた。
ロモソルーンは『ふふ』と笑って、シェルに熱烈な口づけをして、愛撫を再開した。
尻尾の先でシェルの体中をスルスルと撫でまわし、尖った所を擽って行く。
『本当は、この位の時に本物を入れたかったんだ』
シェルの目の前に尻尾の先を持っていきユラユラと怪しく動かしながらロモソルーンが言った。
尻尾の先には艶のあるツルツルした矛先の形状をした真っ黒な飾りがひとつ生えていた。それはロモソルーンの性器に形が似ていた。
人間の男の物にしてはかなり凶暴な大きさのそれを、シェルは見つめてコクリと喉を鳴らした。
「それ、生後三年位の時じゃないか、どんなおませな雛ドラゴンだよ」
『ははは、こんなだよ。俺は生まれた時からお前に求愛してるんだ。三年も心を持て余せば交尾欲なんてとっくに溢れんばかりに決まっているだろう』
千年、独り孤独に耐えて、五年かけてやっと思い人を手に入れたな漆黒の雛(?)ドラゴンはそう言って笑った。
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