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アッシュレアの敵討ち
◆◆◆1
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その夜、ロモソルーンは珍しく大人しかった。
今まで竜騎士が討伐で戦死しても我関せずという感じで、変わらず歌ったりふざけたりしてたのに。
夕食の時も何も話さなかった。
シェルも何も話せなかった。
会話をするどころか、作った癖に食事も殆ど喉を通らなかった。
ミレニアの身に、どんな事が起きたのか、シェルだけが詳細に分かった。
実際に見た事が有るから。
ゴブリンの巣穴に連れ込まれた人間が、どんなおぞましい目に合うのか知っているから、とても喉を通らなかった。
どんなに考えまいとしても、5年前の悪夢がシェルの脳裏によみがえる。
いきなり何処からともなく表れたゴブリンの大群、あっという間に餌食になる繋がれた奴隷仲間達、次々体中に集られて引き倒される護衛の傭兵、巣穴に引きずられながら皆悲鳴を上げていた。
今でも鮮明に思い出す。皆の泣き叫ぶ声『助けてくれ』『俺が悪かった』『イヤァ!お腹がぁ!』どんどん膨らんでいくみんなのお腹、ショック死する者もいた。
思い出すだけで吐き気がする。
『シェル、大丈夫か?顔色が真っ青だ』
「うん?ミレニアの亡骸を見ちゃったから、ちょっと昔の記憶がどうしても・・・」
ムリして笑うと、ロモソルーンが鼻先でスリスリとシェルの頬を撫でた。
気遣って貰えたのが嬉しくて少し元気が出た。
『暖かい湯に浸かって少し体温を上げておいで』
部屋の気温は上がって無かった。今夜は夜の交わりを遠慮するつもりなんだろう。
でも、シェルは今夜、どうしてもこのまま眠りに着くのが怖くて
「うん。あの、あのね、ロモソルーン。今日は、未だ上げて無かったよね。魔力」
初めてシェルから誘った。
今まで竜騎士が討伐で戦死しても我関せずという感じで、変わらず歌ったりふざけたりしてたのに。
夕食の時も何も話さなかった。
シェルも何も話せなかった。
会話をするどころか、作った癖に食事も殆ど喉を通らなかった。
ミレニアの身に、どんな事が起きたのか、シェルだけが詳細に分かった。
実際に見た事が有るから。
ゴブリンの巣穴に連れ込まれた人間が、どんなおぞましい目に合うのか知っているから、とても喉を通らなかった。
どんなに考えまいとしても、5年前の悪夢がシェルの脳裏によみがえる。
いきなり何処からともなく表れたゴブリンの大群、あっという間に餌食になる繋がれた奴隷仲間達、次々体中に集られて引き倒される護衛の傭兵、巣穴に引きずられながら皆悲鳴を上げていた。
今でも鮮明に思い出す。皆の泣き叫ぶ声『助けてくれ』『俺が悪かった』『イヤァ!お腹がぁ!』どんどん膨らんでいくみんなのお腹、ショック死する者もいた。
思い出すだけで吐き気がする。
『シェル、大丈夫か?顔色が真っ青だ』
「うん?ミレニアの亡骸を見ちゃったから、ちょっと昔の記憶がどうしても・・・」
ムリして笑うと、ロモソルーンが鼻先でスリスリとシェルの頬を撫でた。
気遣って貰えたのが嬉しくて少し元気が出た。
『暖かい湯に浸かって少し体温を上げておいで』
部屋の気温は上がって無かった。今夜は夜の交わりを遠慮するつもりなんだろう。
でも、シェルは今夜、どうしてもこのまま眠りに着くのが怖くて
「うん。あの、あのね、ロモソルーン。今日は、未だ上げて無かったよね。魔力」
初めてシェルから誘った。
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