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アッシュレアの敵討ち
◆2
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「ベノン、ミレニアはね。ミレニアとアッシュレアは、僕が生まれた時からの世話係なんだ。父から譲り受けた。僕のお気に入りだ。覚えておけ、お前はドラゴンの世話係を殺したんだ」
もう一度、ファーファナルは鱗をジャララジャララと鳴らすと踵を返しどこかへ行ってしまった。
辺りは、静まり返り、皆ファーファナルの去った方向を呆然と見つめている。
ベノンだけが
「何だよ!俺が悪いみてぇじゃねぇか!第一殺してねぇし!殺したのはゴブリンじゃねぇか!」
と子供っぽく喚いていた。
「だいたいアイツがいけないんだ!俺がせっかく声をかけてやったのに、門前払いみたいに断りやがって!」
わめくベノンにアッシュレアが再び怒って怒鳴り付けた。
「その気が全く無いんだもの、当たり前じゃない!それとも好きなふりしていざとなったらこっぴどく振った方が良かったかしら!?」
「俺は谷を守ってやってる竜騎士だぞ!」
大声で言い募った所で、
「いい加減にしろ!ベノン。まるで自分だけの力で谷を守っている様な顔をして!竜騎士とは名ばかりの、なって三年目の後方部隊で剣を構えるだけのヒヨッコが!谷を守る竜騎士?本当に谷を、俺たちを守ってくれているのはドラゴン達だろうが!選りにもよって世話係に手を出すとは!ドラゴンの世話が係はいわば生けるドラゴンの財宝だぞ!」
ベノンの所属する隊の隊長とおぼしき壮年の竜騎士が、怒りなのかドラゴンへの恐れなのか真っ青な顔で怒鳴りつけて来た。
さすがのベノンもその剣幕に気圧された。
それでもベノンは引かなかった。
「なん、何ですか。ドラゴンの世話係だからって何だって言うんだ!谷を命をかけて守る騎士の方がずっと偉いに決まってる」
もう一度、ファーファナルは鱗をジャララジャララと鳴らすと踵を返しどこかへ行ってしまった。
辺りは、静まり返り、皆ファーファナルの去った方向を呆然と見つめている。
ベノンだけが
「何だよ!俺が悪いみてぇじゃねぇか!第一殺してねぇし!殺したのはゴブリンじゃねぇか!」
と子供っぽく喚いていた。
「だいたいアイツがいけないんだ!俺がせっかく声をかけてやったのに、門前払いみたいに断りやがって!」
わめくベノンにアッシュレアが再び怒って怒鳴り付けた。
「その気が全く無いんだもの、当たり前じゃない!それとも好きなふりしていざとなったらこっぴどく振った方が良かったかしら!?」
「俺は谷を守ってやってる竜騎士だぞ!」
大声で言い募った所で、
「いい加減にしろ!ベノン。まるで自分だけの力で谷を守っている様な顔をして!竜騎士とは名ばかりの、なって三年目の後方部隊で剣を構えるだけのヒヨッコが!谷を守る竜騎士?本当に谷を、俺たちを守ってくれているのはドラゴン達だろうが!選りにもよって世話係に手を出すとは!ドラゴンの世話が係はいわば生けるドラゴンの財宝だぞ!」
ベノンの所属する隊の隊長とおぼしき壮年の竜騎士が、怒りなのかドラゴンへの恐れなのか真っ青な顔で怒鳴りつけて来た。
さすがのベノンもその剣幕に気圧された。
それでもベノンは引かなかった。
「なん、何ですか。ドラゴンの世話係だからって何だって言うんだ!谷を命をかけて守る騎士の方がずっと偉いに決まってる」
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