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乙女の祈り乙女の怒り

◆◆◆2 回想ミレニア

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ベラは特別ミレニアと仲が良かったワケでは無いけれど、意地悪もしなかった。
今日、ミレニアが宣教師の手から何とか逃げられたのは、ベラのお蔭の様なモノだから少し気になった。
辺りを見回すと、ミレニアとよく図書館で一緒になる孤児院の年上の女子サーシャが部屋の隅で蹲っていた。
「サーシャ」
「・・・・ミレニア、アンタ何でここに居るの?孤児院から飛び出して行ったって聞いたケド、戻って来てたの?」
「えと・・・」
ミレニアは返答に困り、曖昧に頷くとサーシャにベラはどうしたのか聞いた。
とたん、サーシャは顔色を真っ青にしてこう言った。
「何いってるの、孤児院に火をつけたのはベラよ」
サーシャの話しによると、ミレニアが出て行った後、孤児院は一見何事も無かった様にみんな普段の行動に戻っていったらしい。
孤児院ではいつも、午後の洗濯物取り込み作業の後に夕方の食事になるまで皆好きに過ごす時間が有る。
その隙に、ベラは孤児院の廊下を掃除すると言い出し、洗剤と称して油を孤児院中に塗り歩き、
「最後に自分が油を被って、近くに居た宣教師に飛びついたかと思ったらいきなり自分に火を着けたの」
油をそこら中に塗り込められた建物は、火を着けれられた途端、たちまち燃え上がり火の海と化したそうだ。
サーシャは最後の方はおえつを堪えながら話してくれた。
結局、孤児院を焼く炎は一晩中燃え盛り、焼け跡からは遺体が三つ発見された。
ローティーン位の女児が一人、青年男性が一人、赤ん坊が一人。
女児はベラ、青年男性はミレニアを襲った宣教師だった。
大人に成ってから、ルメラに聞かされた。
赤ん坊は、ベラのお腹の中から発見された。


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