146 / 431
乙女の祈り乙女の怒り
◆◆12 回想 ミレニア
しおりを挟む
「泣いたわよ」
「今も?」
「そうね・・・・涙はもう出ないけど、今も泣いているわ。大好きだったの、両親の事。家族が魔物に殺されたんだもの、そう簡単には心の整理なんて着かないわよ」
「私もずっと泣くのかな・・・」
「どうだろう?ミレニアは可愛いから、もしかしたら心を癒してもらえる出会いが有るかも知れないわよ?」
そうアッシュレアは言ったけど、ミレニアにはよく分からなかった。
可愛いなんて、両親以外に初めて言われた。
でも、どうして可愛いと悲しくなくなる出会いが有ると言えるのだろうか?
「よくわかんない」
ミレニアは正直に言った。
だって、今自分はこんなに悲しいのに、この気持ちが癒される時なんて本当に来るのだろうか?
両親が死んで、保護してもらった孤児院では女子達には知らない内に疎まれ、男子には虐められ、親代わりだと言ってくれた優し宣教師は突然豹変した。無理やりスカートの中に手を入れてきた・・・。
――はぁはぁと、上ずった低い声が混じる太い息。じぶんより、ずっと大きなからだのおとなが、りょううでを広げて囲い込み、わたしにおおいかぶさって来た。
こわかった。影になってて宣教師の表情は殆ど見えなかった。体が凍ったみたいにうごかなくなって、声も上手く出ない。まるで、お化けの夢にうなされた時みたい、どんなに力を入れても動かない、ゆび一本うごかすのがやっと。『嫌』と言った声はたかく、ほそく、小さくて、ふるえるわたしのおなかをナメてた宣教師は気持ちの悪い笑い顔で『気持ちイィんだね』と言った。わたし、イヤだって言ったのに、何で宣教師のズボンの前は、あんなにふくらんでるの?おとうさんのは、あんな形になった事なんて無い。
「今も?」
「そうね・・・・涙はもう出ないけど、今も泣いているわ。大好きだったの、両親の事。家族が魔物に殺されたんだもの、そう簡単には心の整理なんて着かないわよ」
「私もずっと泣くのかな・・・」
「どうだろう?ミレニアは可愛いから、もしかしたら心を癒してもらえる出会いが有るかも知れないわよ?」
そうアッシュレアは言ったけど、ミレニアにはよく分からなかった。
可愛いなんて、両親以外に初めて言われた。
でも、どうして可愛いと悲しくなくなる出会いが有ると言えるのだろうか?
「よくわかんない」
ミレニアは正直に言った。
だって、今自分はこんなに悲しいのに、この気持ちが癒される時なんて本当に来るのだろうか?
両親が死んで、保護してもらった孤児院では女子達には知らない内に疎まれ、男子には虐められ、親代わりだと言ってくれた優し宣教師は突然豹変した。無理やりスカートの中に手を入れてきた・・・。
――はぁはぁと、上ずった低い声が混じる太い息。じぶんより、ずっと大きなからだのおとなが、りょううでを広げて囲い込み、わたしにおおいかぶさって来た。
こわかった。影になってて宣教師の表情は殆ど見えなかった。体が凍ったみたいにうごかなくなって、声も上手く出ない。まるで、お化けの夢にうなされた時みたい、どんなに力を入れても動かない、ゆび一本うごかすのがやっと。『嫌』と言った声はたかく、ほそく、小さくて、ふるえるわたしのおなかをナメてた宣教師は気持ちの悪い笑い顔で『気持ちイィんだね』と言った。わたし、イヤだって言ったのに、何で宣教師のズボンの前は、あんなにふくらんでるの?おとうさんのは、あんな形になった事なんて無い。
6
お気に入りに追加
408
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
禁断の祈祷室
土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。
アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。
それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。
救済のために神は神官を抱くのか。
それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。
神×神官の許された神秘的な夜の話。
※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
美しき父親の誘惑に、今宵も息子は抗えない
すいかちゃん
BL
大学生の数馬には、人には言えない秘密があった。それは、実の父親から身体の関係を強いられている事だ。次第に心まで父親に取り込まれそうになった数馬は、彼女を作り父親との関係にピリオドを打とうとする。だが、父の誘惑は止まる事はなかった。
実の親子による禁断の関係です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる