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乙女の祈り乙女の怒り
◆◆9 回想 ミレニア
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「こんな所で一人で何していたの?水辺とか、湿気の多い所は子供が一人で来て良い所じゃぁ無いのよ?」
小型の杖を構えたアッシュレアは開口一番そう言った。
ミレニアがアッシュレアの持っている杖を見つめると、アッシュレアは慌てて杖を背に隠した。
「ゴブリンが迷い込んで来たのかと思ったのよ。まさかこんな時間にこんな所で子供が一人でいるなんて思わないじゃない」
実際の年齢は二十半ば頃だったのだが、幼いミレニアには随分大人に見えた。
「おばちゃん、だあれ?」
「おば・・・・まぁ。良いか!そうね、子供から見たら大人なんて、皆、同じ年のおばちゃん、おじちゃん、に見えるものだものね。」
ミレニアの無邪気な問いかけに気を悪くするでもなく、アッシュレアは快活に笑うと
「私はアッシュレア、メリス様の所の世話係よ。貴方お名前は?」
「ミレニア」
「そう、ミレニア、初めまして、かしら?狭い谷の中の事だからどこかで合った事が有るかも知れないけど、お互い初めて合ったと思ったんだから、初めましてで良いわよね!それで、こんな所で何をしていたの?」
「・・・・あ、あそびに」
何故だかとっさに嘘をついた。
別にわるい事をしていたわけでは無いのに・・・。
宣教師との間に起きた事は、何故だか誰にも言ってはいけない気がした。
『でも、わたし、何もわるい事していないのに・・・』心のなかではそう思うのに、何故だか酷く恥ずかしい事の様に思えて口に出来なかった。
アッシュレアが不思議そうな顔をしている。
「さっきも言ったけどね、森や林、湖や川や海みたいな湿気の多い所はね子供は一人で来てはいけない所なの。人里離れた野原もそう。ゴブリンが好んで出るから危険なのよ」
小型の杖を構えたアッシュレアは開口一番そう言った。
ミレニアがアッシュレアの持っている杖を見つめると、アッシュレアは慌てて杖を背に隠した。
「ゴブリンが迷い込んで来たのかと思ったのよ。まさかこんな時間にこんな所で子供が一人でいるなんて思わないじゃない」
実際の年齢は二十半ば頃だったのだが、幼いミレニアには随分大人に見えた。
「おばちゃん、だあれ?」
「おば・・・・まぁ。良いか!そうね、子供から見たら大人なんて、皆、同じ年のおばちゃん、おじちゃん、に見えるものだものね。」
ミレニアの無邪気な問いかけに気を悪くするでもなく、アッシュレアは快活に笑うと
「私はアッシュレア、メリス様の所の世話係よ。貴方お名前は?」
「ミレニア」
「そう、ミレニア、初めまして、かしら?狭い谷の中の事だからどこかで合った事が有るかも知れないけど、お互い初めて合ったと思ったんだから、初めましてで良いわよね!それで、こんな所で何をしていたの?」
「・・・・あ、あそびに」
何故だかとっさに嘘をついた。
別にわるい事をしていたわけでは無いのに・・・。
宣教師との間に起きた事は、何故だか誰にも言ってはいけない気がした。
『でも、わたし、何もわるい事していないのに・・・』心のなかではそう思うのに、何故だか酷く恥ずかしい事の様に思えて口に出来なかった。
アッシュレアが不思議そうな顔をしている。
「さっきも言ったけどね、森や林、湖や川や海みたいな湿気の多い所はね子供は一人で来てはいけない所なの。人里離れた野原もそう。ゴブリンが好んで出るから危険なのよ」
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