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乙女の祈り乙女の怒り

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「・・・らちが明かないな、本人達に聞こう、ダヤかベノンかオルクはいるかい?」
ファーファナルが捜索隊に向かって大きな声で尋ねたが、三人の誰からも返事は無かった。
さわさわと訝しむ囁き声が聞こえ始めた頃、ベテラン竜騎士達につつき出される様にしながら三人は姿を現した。
三人とも、ソワソワとしてあからさまに居心地の悪そうな、機嫌の悪そうな態度を隠さない所が彼らの精神の未熟さを雄弁に語っていた。
最初に口を開いたのは三人の中で、一番発言力のあるベノンだった。
「俺達今日、朝市になんて言ってません」
「あ。この雄だよ!今日一人でミレニアに付きまとってたフラれた雄!そんでそっちの二人が物陰からそれ見て『ヒヒヒッ』ってしてた」
その発言は即座にグイグゥによって否定された。
グイグゥの発言を聞いて、バレた事に狼狽えるかと思えば、ベノンはダヤとオルクを睨みつけた。
「お前ら!後で覚えてろよ!」
笑われた事に怒っている。ダヤとオルクはバツが悪そうに視線をベノンから逸らせた。
しかしこのやり取りが、ベノンの『今日、朝市には行ってない』という発言が嘘だという事を自ら証明ていた。
グイグゥが得意そうに言った。
「ほら、僕が言った事本当でしょう?」
ベノンがバツが悪そうに横を向いた。
「アンタ達、あれほどもうミレニアには近づくなと言ったのに!一体ミレニアに何をしたの!?」
「何もしてねぇよ!」
「嘘よ!、あの用心深いミレニアが、あんな危ない場所一人で行くワケが無い!アンタが無理やり連れて行ったんだわ!」
「うわ!アンタ何抱えてんだよ!?そんな物持って俺に近寄るな!」
ベノンは、アッシュレアの抱えるミレニアの亡骸の包みに気が着いて、悲鳴を上げって数歩下がった。
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