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落ち葉と魚
◆◆◆16
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『・・・ケド?・・・』
言い淀むシェルにロモソルーンが優しく先を促した。
「頭・・が・・・状況についていけない。」
『ん?』
「だってロモソルーンはずっと子供だったのに。」
『ドラゴンは成長が早いんだ。五歳はもう番いを見つけられる年だぞ?。』
「僕の行く所、行く所、可愛い顔してずっと着いて回って、甘えっ子で。」
ロモソルーンはシェルの首脇に嘴を摺り寄せた。
シェルは俯いたままピクリと少し体を震わせただけでロモソルーンにされるがままになっている。
上気したシェルの体からは、さっきから、魔力交じりの何とも言えない香りがしてロモソルーンの自制心を揺るがしている。
そういえば今朝はまだ魔力を貰っていない。
『・・・俺は求愛しているんだぞ?。承諾も貰ってないのに求愛の途中で傍を離れるワケ無いだろう。まぁ、少し子供っぽく振舞った方がシェルの反応が良かったから少しは意識はした。』
ベチッっとシェルがロモソルーンの鼻を叩く。
本気じゃない攻撃はロモソルーンには痒いとも感じない。
なんだかフワフワした気分になってしまって自然にロモソルーンの喉が震えた。
その振動がシェルの体にも伝わって、思わずシェルは息を飲んで身を竦める。汗をかいたせいなのか、さっきから自分の来ている洋服の布ズレが気になってしょうがない。
「それが、知らないウチに僕に魔法なんか掛けて、ドラゴン語が分かる様になったら君は僕が思ってたよりずっと大人じゃないか!狡いよ!。何だか突然大人に成られた気分だよ。急にどこか遠い存在に思えて胸が詰まった位だよ!。そうかと思えば公衆の面前で愛してるとか。し、しかもアレが・・・そんな意味が有っただなんてっ。」
言い淀むシェルにロモソルーンが優しく先を促した。
「頭・・が・・・状況についていけない。」
『ん?』
「だってロモソルーンはずっと子供だったのに。」
『ドラゴンは成長が早いんだ。五歳はもう番いを見つけられる年だぞ?。』
「僕の行く所、行く所、可愛い顔してずっと着いて回って、甘えっ子で。」
ロモソルーンはシェルの首脇に嘴を摺り寄せた。
シェルは俯いたままピクリと少し体を震わせただけでロモソルーンにされるがままになっている。
上気したシェルの体からは、さっきから、魔力交じりの何とも言えない香りがしてロモソルーンの自制心を揺るがしている。
そういえば今朝はまだ魔力を貰っていない。
『・・・俺は求愛しているんだぞ?。承諾も貰ってないのに求愛の途中で傍を離れるワケ無いだろう。まぁ、少し子供っぽく振舞った方がシェルの反応が良かったから少しは意識はした。』
ベチッっとシェルがロモソルーンの鼻を叩く。
本気じゃない攻撃はロモソルーンには痒いとも感じない。
なんだかフワフワした気分になってしまって自然にロモソルーンの喉が震えた。
その振動がシェルの体にも伝わって、思わずシェルは息を飲んで身を竦める。汗をかいたせいなのか、さっきから自分の来ている洋服の布ズレが気になってしょうがない。
「それが、知らないウチに僕に魔法なんか掛けて、ドラゴン語が分かる様になったら君は僕が思ってたよりずっと大人じゃないか!狡いよ!。何だか突然大人に成られた気分だよ。急にどこか遠い存在に思えて胸が詰まった位だよ!。そうかと思えば公衆の面前で愛してるとか。し、しかもアレが・・・そんな意味が有っただなんてっ。」
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