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落ち葉と魚

◆◆16

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町を出たシェルは再びロモソルーンの背に乗り、ノンビリ歩く彼の背で暖を取りながら揺られていた。
夜空は満天の星で彩られ、湖の湖面はその星空をそのまま写し出していた。
魔灯は燃料ランプよりも明るく、シェルが持つ一つだけでも十分ふたりの周りを明るく照らす。湖の横をすり抜ければ紅葉が続く山道に入る。
その山道に差し掛かった時だった。
ロモソルーンがピタリと足を止めた。
「ロモソルーン?」
シェルが問いかけるとロモソルーンが首だけでシェルを振り返り。
ルルゥ”’”、・
と一鳴きし、魔灯と同じ魔法の光の玉を幾つも作って辺りに撒いた。
光の玉は蝶が舞う様にゆらゆらと辺りを漂い草や木の葉の間に入り込み、淡く辺りを照らし出す。
草木の間に光の玉が紛れ込むと、まるで植物が自ら発光している様に見えた。
夜の闇から深紅の樹木が光を灯し浮かび上がる光景は、それは美しい物だった。
ただただ目の前で作り上げられていく美しい世界に見とれていたシェルが呟く
「きれいだ・・・。」
ロモソルーンはそんなシェルを満足そうに見つめ目を細めると。
「キューーーーーーーーーーーッ。」
と細く高く鳴いた。
天に向けた嘴の先に魔方陣が展開される。
魔法陣はそのまま滑る様に湖の湖面に移り、ロモソルーンもそのまま湖に向きを変えると一気に真っ白な炎を吐いた。
炎は渦を巻きながら燃え上がり、湖面中を被い尽くす。
「ロモソルーン!?」
驚くシェルを笑う様に炎は勢いを増していく。
しかし、炎は少しも湖面の外にはみ出す事は無かった。
勢い良く湖面の上で踊る様に燃え続ける。
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