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落ち葉と魚
◆◆15
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「いや、しかし・・・お客様はこの石が気に入ってらしたのでは?」
自分の命を救った石を握りしめながらも商人はシェルに問いかける。
「魔石ならトホスマ・スダに売る程ありますから」
その石の様に美しくは無いけれどもと言ってシェルは購入を辞退した。
欲しくないと言ったら嘘になるけれど、その石を持つべきなのは自分じゃないと思ったのは本当だ。
シェルが愛しんで止まない金色は、もう理由ごと自分の隣にいるから、持つべき人が有る物を欲しがる程ではない。
「これは貴方の石であるべきだと思います。きっとこれからも貴方を助けてくれますよ。」
そういって立ち去ろうとした時だった。
ロモソルーンが商人の手に前足のかぎ爪を近づけた。
「ヒッ」
っと、商人はドラゴンに慣れない渡来人らしい反応で、たたらを踏んで数歩後退る。
石がトスンと音を立てて地面に落ちた。
ロモソルーンはそれに構わず落ちた石に鉤爪を近づけるとその石に魔力を流し込んだ。
「グルアガーーーキュルキュル、キュルァギャッアギャァ。」
呆然とする商人に通りすがりのドラゴンが通訳する。
「『ウチの世話係に珍しい物を見せてくれた礼だ。これだけでは不十分だが魔除けの足しにはなるだろう持っていけ』と言っている。そこな商人、ロモソルーンがシェル以外に贈り物をするのは珍しい。持っていくが良い。」
シェルはふふふと笑って、石を拾い上げ、未だあっけに取られる商人の手の中に再び石を戻した。
それから、ちょこんと頭を下げて再び住処に向かう道に戻った。
町を通り抜ければそこは湖の横を通り過ぎる道に入る。
ここから先は民家は無い。
昼間通った時に見とれた、見事な紅葉が見れる場所も直ぐだ。
自分の命を救った石を握りしめながらも商人はシェルに問いかける。
「魔石ならトホスマ・スダに売る程ありますから」
その石の様に美しくは無いけれどもと言ってシェルは購入を辞退した。
欲しくないと言ったら嘘になるけれど、その石を持つべきなのは自分じゃないと思ったのは本当だ。
シェルが愛しんで止まない金色は、もう理由ごと自分の隣にいるから、持つべき人が有る物を欲しがる程ではない。
「これは貴方の石であるべきだと思います。きっとこれからも貴方を助けてくれますよ。」
そういって立ち去ろうとした時だった。
ロモソルーンが商人の手に前足のかぎ爪を近づけた。
「ヒッ」
っと、商人はドラゴンに慣れない渡来人らしい反応で、たたらを踏んで数歩後退る。
石がトスンと音を立てて地面に落ちた。
ロモソルーンはそれに構わず落ちた石に鉤爪を近づけるとその石に魔力を流し込んだ。
「グルアガーーーキュルキュル、キュルァギャッアギャァ。」
呆然とする商人に通りすがりのドラゴンが通訳する。
「『ウチの世話係に珍しい物を見せてくれた礼だ。これだけでは不十分だが魔除けの足しにはなるだろう持っていけ』と言っている。そこな商人、ロモソルーンがシェル以外に贈り物をするのは珍しい。持っていくが良い。」
シェルはふふふと笑って、石を拾い上げ、未だあっけに取られる商人の手の中に再び石を戻した。
それから、ちょこんと頭を下げて再び住処に向かう道に戻った。
町を通り抜ければそこは湖の横を通り過ぎる道に入る。
ここから先は民家は無い。
昼間通った時に見とれた、見事な紅葉が見れる場所も直ぐだ。
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