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落ち葉と魚

◆◆13

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トホスマ・スダに国外の人間を医療関係で制限する法律は無い。
旅行者だろうが旅芸人だろうが商人だろうが相応の治療をうけられるハズだ。
シェルが商人に問うと。
「これでもかけて貰ったんですよ。今はもっと重症の者達を診て下さってます。」
その話を聞いて、
「あぁ、それで。」
と一人納得した。
少し変だなと思ったのだ。
ウォルターと番い達が仲が良いのは有名な話だ。
ルメラはウォルターが他の番いに会いに行く時も必ずと言って良いほど伴っていく。
それがウォルター一人で泊りがけで出かけるなんて。
「そうか・・・僕の他にも患者がいたから留守番されてたんだね。」
とシェルがロモソルーンに言うとロモソルーンは
「 ククルゥ‘”__。」
とないて嘴でシェルの頬を撫でた。
やっぱり、ドラゴンの鳴き声はシェルには何かの音が重なって聞こえていた。
「これは・・・・ロモソルーン様ですね。噂に違わぬご立派なお姿だ。」
「ロモソルーンをご存知なんですか?」
「呼び捨て!では貴方が吟遊詩人が歌う、『北端の漆黒の戦神が愛でる黒いダイヤ』ですね!ロモソルーン様はそりゃぁ有名ですよ。悠久の時をさ迷って奇跡の生還を果たした夜空の名を持つ黒きドラゴン、その強さは若干五歳とは到底思えない絶大な戦力を誇り、潰した魔獣の巣穴は数知れず。着いた通名が『漆黒の戦神』どの国に行ってもトホスマ・スダの黒いドラゴンの話を知らない吟遊詩人はおりません。」
大袈裟に吟遊詩人達の真似をしながら商人が話してくれるロモソルーンにシェルはとても格好良く、シェルを嬉しくさせた。
ロモソルーンも調子に乗って
「ギャァァァァ」
とか雄叫びを挙げて見せる物だから三にんはすっかり注目の的となってしまう。
しかし、『黒いダイヤ』とは何の事だと思いつつも、シェルは嫌な予感がして聞けなかった。
見物人も増え、調子づいた商人がシェルに聞く。
「ロモソルーン様がお客様となって下さるとはウチの店にも箔が付くという物です。お気に召されたのはそのペンダントですね。あぁ・・・確かにロモソルーン様の瞳の色にそっくりだ。」
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