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落ち葉と魚
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「はい・・・それは・・・。その・・・・そもそもの話が・・・その・・・僕がロモソルーンの前で・・・何故かその・・・・」
「あーそこは事細かくは話さなくて大丈夫よ。だいたい分かった。つまり餓えた狼の前に極上の生肉を釣る下げた状態になってしまったのね」
「ダメだとは言ったんですが、せがまれると可愛くて・・・・すみません。やっぱり僕の責任です。人間でいう十六、七歳に相当するとは云え、たった五歳のドラゴンに自分は何て物をっ。」
あぁぁぁぁっ。僕は何てことをしてしまったのか、と頭を抱えしゃがみ込むシェルに苦笑しながらルメラが諭す。
「最初に言うけど、シェル君、君は何も気に病む事は無いわ。」
「でも、僕はっ。ロモソルーンは優しいです。頭も良い。僕が断固としてあの時断れば、いくらあの時の僕が・・・。」
「いいえ、シェル君。そもそも君が悩んでいる事自体が必要の無い無駄な事なのよ。」
ちょっとショックを受けながらも取り乱し始めたシェルが止まる。
「・・・むだ・・・。」
「えぇ。無駄な事よ。そもそもね、シェル君。基本的に普通のドラゴンにとって人間の体液は唯の食べ物なの、人間はただ食べ物を提供してくれる動物でしかないわ。人間にとっての乳が取れる山羊、実のなる樹木と大差ないの。」
「山羊・・・・樹木・・・・」
ワケが分からないながらも一応ルメラの言葉を反芻するシェルにルメラは微笑んだ。
「母さん旨い事言うね!」
「グィグゥ、お前は少し黙っていなさい。」
「はい。母さん」
またしても空気を読まず、二人の会話に割って入ってきたグィグゥにルメラがピシャリと言い放つ、素直に黙った息子をウォルターが尻尾で自分の脇へと引き戻した。
「失礼、でも、息子も認めたでしょう?ドラゴンにとって人間とはそんな物なの」
「いや・・・はぁ・・・でも。」
「例えばね、今夜の食事は口に合ったかしら。」
「え?は、はい、とっても。特に深海魚の白子と肝なんて滅多に食べれないご馳走・・・・・・」
突然夕飯の話をされ、戸惑いつつも素直に美味しかったと返答したシェルは、そこまで言って、はっとした顔のままピシりと固まった。
「あーそこは事細かくは話さなくて大丈夫よ。だいたい分かった。つまり餓えた狼の前に極上の生肉を釣る下げた状態になってしまったのね」
「ダメだとは言ったんですが、せがまれると可愛くて・・・・すみません。やっぱり僕の責任です。人間でいう十六、七歳に相当するとは云え、たった五歳のドラゴンに自分は何て物をっ。」
あぁぁぁぁっ。僕は何てことをしてしまったのか、と頭を抱えしゃがみ込むシェルに苦笑しながらルメラが諭す。
「最初に言うけど、シェル君、君は何も気に病む事は無いわ。」
「でも、僕はっ。ロモソルーンは優しいです。頭も良い。僕が断固としてあの時断れば、いくらあの時の僕が・・・。」
「いいえ、シェル君。そもそも君が悩んでいる事自体が必要の無い無駄な事なのよ。」
ちょっとショックを受けながらも取り乱し始めたシェルが止まる。
「・・・むだ・・・。」
「えぇ。無駄な事よ。そもそもね、シェル君。基本的に普通のドラゴンにとって人間の体液は唯の食べ物なの、人間はただ食べ物を提供してくれる動物でしかないわ。人間にとっての乳が取れる山羊、実のなる樹木と大差ないの。」
「山羊・・・・樹木・・・・」
ワケが分からないながらも一応ルメラの言葉を反芻するシェルにルメラは微笑んだ。
「母さん旨い事言うね!」
「グィグゥ、お前は少し黙っていなさい。」
「はい。母さん」
またしても空気を読まず、二人の会話に割って入ってきたグィグゥにルメラがピシャリと言い放つ、素直に黙った息子をウォルターが尻尾で自分の脇へと引き戻した。
「失礼、でも、息子も認めたでしょう?ドラゴンにとって人間とはそんな物なの」
「いや・・・はぁ・・・でも。」
「例えばね、今夜の食事は口に合ったかしら。」
「え?は、はい、とっても。特に深海魚の白子と肝なんて滅多に食べれないご馳走・・・・・・」
突然夕飯の話をされ、戸惑いつつも素直に美味しかったと返答したシェルは、そこまで言って、はっとした顔のままピシりと固まった。
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