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星空
◆◆17
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湯船につかりながらツクヅク自分に魔力が有って良かったとシェルは思った。
真夜中でも簡単に大きな湯船に湯を張れるのは魔力を一定量持っている者だけの特権だ。
温まりながら先ほどの己の痴態が脳裏にチラついて己の両手に顔を埋める。
あんなに気持ち良いなんて・・・。
「・・・・・全然嫌じゃなかった。」
何も思い出さなかった。
猿や豚の死骸も、張りぼての感覚も、ただ夢中で快感に溺れた。
金色に光る双眸を見つめながら、見つめられながら、たぶんシェルは生まれて初めて快感に本気で酔った。
何かダメな気がしでナケナシの理性で拒んだ後口への侵入も
「どうしよう・・・むしろ強引にでもねじ込んで欲しかったなんて・・バカか僕・・・。」
はぁ・・・とタメ息を一つついて天を仰ぐとふろ場の湯気を逃がす為の天窓が視界に入った。
今日のトホスマ・スダは真夜中も快晴で、満点の星空が広がっている。
湯船につかりながら思わずシェルは口ずさんだ。
暗い暗い闇の果て
絶望の淵 欠乏の記憶
光は来ない
照らせ 照らせ
星は己の腕の中
星は己の腕の中
耳元でシャラシャラとご機嫌な時にロモソルーンが鳴らす美しい音が聞こえた気がした。
シェルは一人照れて、パシャリと頬まで湯の中に沈み込んだ。
頬の熱が又上がったのはきっとお湯のせいだけではないだろう。
ドラゴンは耳が良い、聞き耳を立てれば酒場の中の会話を窓の外から聞き取れる位耳が良い。
勃起してしまった自分の一物を、又しても自家発電で処理しているロモソルーンが風呂場に逃げ込んだシェルの呟きを漏れ聞いて『ねじ込んで欲しかった』辺りでびっくりし過ぎて自分の顔に掛けてしまったのは秘密だ。
風呂場からは微かにシャラシャラと自分の鱗を打ち鳴らす様な音が聞こえる。
呆然としながらロモソルーンが一人呟いた。
『なんて幸運な日だ・・・第一の魔法が完了した・・・・。』
真夜中でも簡単に大きな湯船に湯を張れるのは魔力を一定量持っている者だけの特権だ。
温まりながら先ほどの己の痴態が脳裏にチラついて己の両手に顔を埋める。
あんなに気持ち良いなんて・・・。
「・・・・・全然嫌じゃなかった。」
何も思い出さなかった。
猿や豚の死骸も、張りぼての感覚も、ただ夢中で快感に溺れた。
金色に光る双眸を見つめながら、見つめられながら、たぶんシェルは生まれて初めて快感に本気で酔った。
何かダメな気がしでナケナシの理性で拒んだ後口への侵入も
「どうしよう・・・むしろ強引にでもねじ込んで欲しかったなんて・・バカか僕・・・。」
はぁ・・・とタメ息を一つついて天を仰ぐとふろ場の湯気を逃がす為の天窓が視界に入った。
今日のトホスマ・スダは真夜中も快晴で、満点の星空が広がっている。
湯船につかりながら思わずシェルは口ずさんだ。
暗い暗い闇の果て
絶望の淵 欠乏の記憶
光は来ない
照らせ 照らせ
星は己の腕の中
星は己の腕の中
耳元でシャラシャラとご機嫌な時にロモソルーンが鳴らす美しい音が聞こえた気がした。
シェルは一人照れて、パシャリと頬まで湯の中に沈み込んだ。
頬の熱が又上がったのはきっとお湯のせいだけではないだろう。
ドラゴンは耳が良い、聞き耳を立てれば酒場の中の会話を窓の外から聞き取れる位耳が良い。
勃起してしまった自分の一物を、又しても自家発電で処理しているロモソルーンが風呂場に逃げ込んだシェルの呟きを漏れ聞いて『ねじ込んで欲しかった』辺りでびっくりし過ぎて自分の顔に掛けてしまったのは秘密だ。
風呂場からは微かにシャラシャラと自分の鱗を打ち鳴らす様な音が聞こえる。
呆然としながらロモソルーンが一人呟いた。
『なんて幸運な日だ・・・第一の魔法が完了した・・・・。』
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