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星空
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真夜中の竜舎の中、ロモソルーンはひとり金色の瞳を開き眠るシェルを見つめていた。
(何でシェルが初代国王の呪い歌を知っているんだ・・・・・)
シェルが今夜ロモソルーンの背で歌った歌は最早トホスマ・スダでも忘れ去られた初代トホスマ・スダ国ドラゴン王が妃を娶るために編み出した奇跡の呪いの方法を歌にした歌だ。
今となってはドラゴン達ですら一部の者しか知らない忘れられた歌。
自分だって元王宮の記録係だった老ドラゴンにせがんでやっと聞き出したのだ。
何故他国出身のシェルが知っているのだ。
あぁ・・・じれったい。
言葉が交わせれば分かるのに、この歌の事もシェルが悪夢にうなされる度に呼ぶ『ギース』の事も。
一体どんな関係だったのだろうとロモソルーンの心中は穏やかではない。
でも未だだ、二個目の魔法が出来ていない。
まだ言葉を交わせる関係になってはいけない。
静かに息を吐きだすと気配に眠りが浅くなったのか
「う・・ぅ・・・ん」
っとシェルが呻いて寝返りを打った。
ロモソルーンは慌ててさらに気配をひそめた。
飲み屋での一件は酷かったが、帰り道のシェルはひどく落ち着いて見えたから、今夜は悪夢を見る事も無いかもしれないと思ったのに。
やはりトラウマという物は簡単には埋まってくれないのだろう。
寝苦しそうに眉間をゆがめ始めた。
(何でシェルが初代国王の呪い歌を知っているんだ・・・・・)
シェルが今夜ロモソルーンの背で歌った歌は最早トホスマ・スダでも忘れ去られた初代トホスマ・スダ国ドラゴン王が妃を娶るために編み出した奇跡の呪いの方法を歌にした歌だ。
今となってはドラゴン達ですら一部の者しか知らない忘れられた歌。
自分だって元王宮の記録係だった老ドラゴンにせがんでやっと聞き出したのだ。
何故他国出身のシェルが知っているのだ。
あぁ・・・じれったい。
言葉が交わせれば分かるのに、この歌の事もシェルが悪夢にうなされる度に呼ぶ『ギース』の事も。
一体どんな関係だったのだろうとロモソルーンの心中は穏やかではない。
でも未だだ、二個目の魔法が出来ていない。
まだ言葉を交わせる関係になってはいけない。
静かに息を吐きだすと気配に眠りが浅くなったのか
「う・・ぅ・・・ん」
っとシェルが呻いて寝返りを打った。
ロモソルーンは慌ててさらに気配をひそめた。
飲み屋での一件は酷かったが、帰り道のシェルはひどく落ち着いて見えたから、今夜は悪夢を見る事も無いかもしれないと思ったのに。
やはりトラウマという物は簡単には埋まってくれないのだろう。
寝苦しそうに眉間をゆがめ始めた。
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