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星空
◆2
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何となし腰が落ち着かない気がして来た。
シェルは焦った。
どうしよう、僕、起ちそうかも・・・・。
非情にまずい。
まさか自分ともあろう者がロモソルーンに欲情するなんんて!
イヤイヤきっとルメラとウォルターの仲睦まじさに充てられたのだ。
意識すると急にロモソルーンの背で擦れている自分の下枝が気になりだしてしまった。
慌てて腕を突っ張り身を離したシェルに気が付いたロモソルーンが止まり
「クルル?」
っと気づかわし気な顔で振り返る。
大丈夫だよっ、と笑って胡麻化して兎に角他の事を考えなくてはと何かじゃべろうとシェルは考えを巡らせた。
(・・・・な、なにも思いつかない・・・・)
絶望に天を仰ぎ見て目に入った夜空に、ふいに子供の頃母親がよく子守唄として歌ってくれた歌を思い出した。
暗い暗い闇の果て
絶望の淵 欠乏の記憶
光は来ない
照らせ 照らせ
星は己の腕の中
寒い寒い夜の果て
絶望の淵 欠乏の人
天使はいない
照らせ 照らせ
灯りは己の掌の中
悲しい悲しい冬の果て
絶望の淵 欠乏の心
理はない
照らせ 照らせ
真実は二人の腕の中
全ては最初から貴方の中
ずっと忘れていたのに覚えているものだ。
音程までしっかり覚えていた。
子供の時の記憶というものはやはり根強く残る物らしい。
他に思いつく事が無いのでシェルは家に着くまで繰り返し歌っていた。
澄んだアルトと間違えそうな美しい高いテノールの声が谷の空気を静かに揺らしていた。
シェルは焦った。
どうしよう、僕、起ちそうかも・・・・。
非情にまずい。
まさか自分ともあろう者がロモソルーンに欲情するなんんて!
イヤイヤきっとルメラとウォルターの仲睦まじさに充てられたのだ。
意識すると急にロモソルーンの背で擦れている自分の下枝が気になりだしてしまった。
慌てて腕を突っ張り身を離したシェルに気が付いたロモソルーンが止まり
「クルル?」
っと気づかわし気な顔で振り返る。
大丈夫だよっ、と笑って胡麻化して兎に角他の事を考えなくてはと何かじゃべろうとシェルは考えを巡らせた。
(・・・・な、なにも思いつかない・・・・)
絶望に天を仰ぎ見て目に入った夜空に、ふいに子供の頃母親がよく子守唄として歌ってくれた歌を思い出した。
暗い暗い闇の果て
絶望の淵 欠乏の記憶
光は来ない
照らせ 照らせ
星は己の腕の中
寒い寒い夜の果て
絶望の淵 欠乏の人
天使はいない
照らせ 照らせ
灯りは己の掌の中
悲しい悲しい冬の果て
絶望の淵 欠乏の心
理はない
照らせ 照らせ
真実は二人の腕の中
全ては最初から貴方の中
ずっと忘れていたのに覚えているものだ。
音程までしっかり覚えていた。
子供の時の記憶というものはやはり根強く残る物らしい。
他に思いつく事が無いのでシェルは家に着くまで繰り返し歌っていた。
澄んだアルトと間違えそうな美しい高いテノールの声が谷の空気を静かに揺らしていた。
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