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ロモソルーンには秘密がある

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「きゃっふー。たぁのしかったねぇ。」
帰宅したルメラは上機嫌でウォルターの首に張り付いていた。
飲み会のメンバーに選ばれた世話係三人はグッタリしていた。
「えぇ。途中までは・・・。」
「本当に楽しかったんですけどねぇ。」
「びっくりしました。ルメラ様ったら急に酔っ払い出すんですもの!一瞬前までは普通でしたのに。」
あの飲み会はちょっと失敗だったわね、と話しながらもキャッキャとお喋りに花をさかせる三人の女性陣へ笑顔で対応しながらもシェルは少し下を向いた。
ロモソルーンはそれを横目に見ながらウォルターの方へと移動する。
『実際、奥さんには感謝している。』
先日、ロモソルーンに付けられた傷の為動けず伏せるウォルターにロモソルーンはあたまを下げた。
『ルメラ殿があの場を壊してくれなかったら、俺が飲み屋の壁をぶち破ってあの三馬鹿どもを広場の噴水に投げ込んでいた』
ドラゴンの言葉しか話さないロモソルーンにウォルターはやはりドラゴンの言葉で返した。
『なんの、ウチのはただの天然だよ。』
『どうだかな。』
よこで張り付いていたルメラが
「あー!。ずるい!。旦那様達ってばドラゴン語で内緒ばなししてる!」
と、ふざけて騒ぎだした。
はしゃぐルメラに構わずロモソルーンは話を続ける。
『成果は成果さ。シェルが泣かずに済んだ礼だ。受け取ってくれ。』
ドラゴン同士の決闘で着いた傷は傷をつけたドラゴンしか癒してはならないのが決まりだ。
ロモソルーンは自分がつけたウォルターの傷に回復魔法をかけた。
あっという間に傷が癒える。
『5歳そこそこの小童が・・・粋な事をしてくれるじゃないか。』
その見事な魔法の技量にウォルターが悔しそうに憎まれ口をたたいた。
「あら、内緒話で傷を癒したの?」
『ウォルター、あんたは一つ誤解している』
「まだ内緒話を続けるの?ずるい!ずるわぁ!よし、シェル君私たちも内緒話しよう。」
「え?何事ですか?!ルメラさん?」
ワケがわかっていないシェルを引きずる様に向こうの診察スペースに連れて行ってしまった。
『あ。オイ!ウォルターの嫁さん、ウチのを何処に連れて行く気だ。』
言いかけた言葉を放り出し、ロモソルーンは慌ててシェルを追いかけた。
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